2025.09.10

プロも認める“副業”の腕前「本当に素晴らしい」NBAプレーヤーがテニス全米OP決勝で写真撮影

シャメットがUSオープン男子決勝を前にフォトピットで準備中 [写真]=Getty Images

■全米テニス協会の一員として参加

 NBAのオフシーズンは、バスケットボールから離れた選手たちのコート外での活動が話題になる。例えば、ビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)は今夏に少林寺の修行に勤しみ、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は自身のゴルフツアーを欧州で初開催していた。

 昨年のニューヨーク・ニックスに欠かせないロールプレーヤーだったランドリー・シャメット(フリーエージェント)は、テニスの4大大会のひとつである全米オープンにフォトグラファーとして参加。そのアクションフォトは、写真の世界におけるプロにも賞賛されている。

 シャメットは、大坂なおみの躍進も報じられた全米オープンに全米テニス協会の一員として参加した。シャメットがボランティアフォトグラファーとして全米テニス協会で働くのは今年で2年目。前回大会は第1週にグラウンドで活動していたが、その時の撮影が評価されて本大会では最終週での参加となり、女子・男子の決勝戦を撮影している。

 自身のフォトグラファーアカウント「@landryshamet.jpg」では、大会連覇を果たした女性プレーヤーのアリナ・サバレンカの決勝戦の様子を投稿。その写真には、優勝をかけた大一番におけるプロアスリートの感情の起伏と躍動感が記録されている。

■「写真はずっと僕の一部であり続けるでしょう」

全米オープン決勝後のセレモニー[写真]=Getty Images


 NBAの現場でも長年写真を撮り続けるジェニファー・ポティザーは、女子決勝後の表彰式で立ち位置を調整するシャメットのプロ精神に感銘を受け、同選手の写真との向き合い方に言及した。

「彼のアクション写真は本当に素晴らしいです。彼には真剣に写真を学ぶ姿勢があります。素晴らしい質問をたくさんしてくるし、正直に言ってチームメートとして最高の存在です。ニューヨーカーなら誰でも知っているでしょうね」

 シャメットが写真を始めたのは約4年前。最初はカメラを持つことが想像できず、スマートフォンで十分と考えていたが、実際に機材を手にすると、みるみる写真の魅力に取り憑かれ、遠征先にも必ずカメラを携帯するという。

「カメラを手にしてから、もう手放す日は来ないと思っています。家に飾る写真を撮るために街を歩いたり、(USオープンのような)イベントで撮影したり。趣味であれ何であれ、写真はずっと僕の一部であり続けるでしょう」

 シャメットは、テニスの現場でノバク・ジョコビッチやカルロス・アルカラスといったトッププレーヤーたちを撮影してきた。また、ワシントン・ウィザーズに在籍していた2023年には、メディアデーの舞台裏で撮影した写真を球団の公式サイトで公開している。

 バスケットボールだけでなく、写真のフィールドでも見事なシューティングを発揮するシャメット。人生の次なるチャプターでは、カメラを通じた表現活動を模索しているのかもしれない。

文=Meiji

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