2025.09.10

契約と成果が両立…ギディー&カルーソのトレードはNBAでも稀な「WIN-WIN」

ギディー(左)もカルーソ(右)も移籍先で活躍、十分と言える契約も勝ち得た [写真]=Getty Images
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 シカゴ・ブルズが若手司令塔との将来を託した。9月10日(現地時間9日)、ジョシュ・ギディーがブルズと4年総額1億ドル(約147億円)の再契約に合意したと『ESPN』が報じた。2021年ドラフト全体6位でオクラホマシティ・サンダーに指名されて以降、ギディーはNBAで3シーズンを過ごし、昨夏にトレードでブルズへ移籍。高いバスケットボールIQとパスセンスが評価されており、今後はブルズ再建の中核として期待される。

 ギディーの移籍は2024年6月21日、アレックス・カルーソとのトレードで成立した。移籍初年度の2024–25シーズンは得点、アシスト、リバウンドのいずれでも安定した数字を残し、司令塔として存在感を示した。チームはFA市場の動向も見極めながら交渉を続け、最終的にギディーを将来の中核と位置づけて大型契約を提示した。完全保証の4年契約で、プレーヤーオプションやチームオプションは含まれていないと報じられている。

 一方のカルーソは、堅実な守備で評価され、サンダーに移籍した後の2024年12月24日(現地時間23日)に、4年総額8100万ドル(約119億円)の契約延長に合意したと報じられた。ディフェンスリーダーとしてプレーオフで重要な役割を果たし、相手の得点源をシャットダウンするタフプレーでフランチャイズ初優勝に導いた。

 サンダーにとってカルーソの加入は、若手主体のロスターを補完するベテランの力として絶大な効果を発揮し、プレーオフでの守備と声かけがチームに安定感を与え、若手スターの成長を支えた。優勝の瞬間にカルーソがチームの中心となって抱き合う姿は、トレードがもたらした成果を象徴するシーンとなった。

 NBAの歴史を振り返ると、双方が利益を得る「WIN-WIN」のトレードは数えるほどしかない。近年では2022年に行われたサクラメント・キングスとインディアナ・ペイサーズの間のトレードが好例で、ドマンタス・サボニスはキングスを16年ぶりのプレーオフ進出へ導き、タイリース・ハリバートンはペイサーズの顔として急成長を遂げた。だが、このような例は例外的であり、成立直後から双方に成果が生まれるケースは多くない。

 ギディーはブルズの将来を担う若き核となり、カルーソはサンダー悲願の優勝を支えた不可欠な存在となった。両者が契約と成果の両面で報われたこのトレードは、NBAでも稀に見る「WIN-WIN」の事例として語り継がれるだろう。

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