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手応えがなかったわけではない。前回大会でも、わずかではあるが“彼女”とマッチアップしている。そのときは強さに圧倒されて、押し込まれるだけだったが、今年は違う。結果として42得点17リバウンドを取られて、ゲームにも敗れるのだが、自らの成長を少しは感じることができた。
前回大会の準決勝と同じカードになった「SoftBank ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子3回戦、大阪薫英女学院(大阪)と桜花学園(愛知)の一戦は、桜花学園が91-54で大阪薫英女学院を下し、準々決勝進出を決めた。大阪薫英女学院はまたも“女王”の壁を打ち破れなかった。
今年度の大阪薫英女学院はここ数年ではサイズが小さい。センターを務める佐藤双羽も176センチである。大阪府内では大きい方だが、全国に出れば、やはり小さい。しかも桜花学園には冒頭に記した“彼女”、オコンクウォ・スーザン・アマカという186センチの留学生がいる。佐藤にとっては彼女をどう抑えるかが、この試合の一番のテーマだった。
「中に入れさせたら留学生のほうが強いし、大きいので、やられてしまう。だから、まずはペイントエリアの外に押し出して、止めようと思いました。前半はそこがクリアできて、アマカさんも嫌がっていたのでよかったと思います。でもリバウンドのところで、チームでは『ティップアウトをして、周りがそのボールを取ろう』と話していたんですけど、ボックスアウトが甘くて、全部上で獲られて、シュートも決められてしまいまいた……そこはこれからの課題です」
佐藤が「これからの」と言ったのは、彼女がまだ2年生だからである。もちろん敗れた今は悔しい思いに覆われているが、来年は佐藤が大阪薫英女学院の大黒柱にならなければならない。
「大阪では自分のほうが大きいところがあって、インサイドで強いプレーをし続けることができたんですけど、全国でアマカさんのような留学生とやってみると、インサイドで強いプレーができないこともあります。これからはインサイドだけでなく、アウトサイドシュートやドライブも磨いて、中と外を効率よく攻められるようにして、来年またここに戻ってきたいです」
3年生のアマカはいなくなるが、彼女とコンビを組んでいた朝比奈あずさは来年も残る。ベンチにもライバルになりそうな選手たちが座っている。桜花学園だけではない。全国には有望なセンター、高さと強さを持つ留学生もいる。それらの壁をどう乗り越えていくか。佐藤のさらなる成長は、大阪薫英女学院が全国で上位を目指す上で欠かせない。