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7月末に新潟県にて行われた男子のインターハイ。同大会では中部大学第一高校(愛知県)が悲願の初優勝を飾ったが、そのチームにおいてポイントゲッターの役割を担うのが田中流嘉洲(3年)だ。
ガードからセンターまで、どのポジションも得点能力の高い選手がそろう中部大第一。中でもパワーフォワードを務める田中の得点での貢献は大きく、試合ではリング下でのシュートを中心に、ミドルシュートも適時に沈める。また、体の強さがあり、リバウンドからのシュートは、相手ディフェンスが何人来てもねじ込む決定力がある。時にバスケットカウントを決めて雄たけびを上げる姿は、チームを勢いづかせている。
インターハイでは初戦となる2回戦(対日本体育大学柏高校)で12得点6リバウンドをマークすると、最初の山場となった3回戦の開志国際高校(新潟県)戦では37得点20リバウンドを叩きだす。続く北陸学院高校(石川県)との準々決勝では13得点7リバウンド。福岡大学附属大濠高校(福岡県)との準決勝では14得点13リバウンドで、帝京長岡高校(新潟県)との対戦した決勝はロースコアの展開の中、9得点13リバウンドを記録した。
コンスタントに得点を挙げる田中は、激しい接触にも動じず、ハードワークもいとわない。やはり「ウインターカップ2021」でもカギを握る存在といえる。
インターハイでは優勝を達成したが、決勝後には、すぐに冬に向けて「ミスをなくしたい」と冷静に課題を語っていた田中。声を出すことも自らの課せられた役割と認識しているように、プレーだけでなく、試合中の声掛けなどでもチームを引っ張る。
夏には「もう少し周りを見て、落ち着いてプレーできるようにしていきたい」とも抱負を語っており、攻防において献身的なプレーを見せる得点源は、冬の日本一に向けて確実にレベルアップを図っている。
文=田島早苗