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インターハイベスト4をかけた7月30日の「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」準々決勝、北陸高校(福井県)は藤枝明誠高校(静岡県)に75−100で敗れた。
最終的に25点差がついたが、前半は両者譲らず互角だった。決められたら決め返す、守られたら負けじと体を張る、というような展開となり38−38の同点で後半へ。しかし第3クォーター、北陸は一気に離された。中盤に連続得点を奪われて9点リードされると、たまらずタイムアウトを請求。一旦流れを切ったが、再開後も谷俊太朗、霜越洸太朗(ともに3年)、赤間賢人(2年)を中心に速い展開に持ち込まれてしまい、同クォーターが終わったときには17点の差が開いてしまった。
そのまま反撃の糸口をつかむことができなった北陸。指揮を執る久井茂稔コーチは、34失点を喫した第3クォーターを分析する。「前半はなんとか戦えましたが、後半は相手がある程度(守るべき)ポイントを絞ってきました。そうなったときに、こっちは3人目、4人目が仕掛けるという一手がなかったですね。そこからリズムを崩してしまい相手のやりたいバスケットをやられてしまいました」。
今大会の北陸は、12名のエントリーメンバーのうち最上級生が6名という若い布陣で挑んだ。昨年のウインターカップで一定の出場機会を得ていたのは現在3年の久井理稔(まさとし)だけであり、今大会の先発を担ったのも3年生が2人、2年生が1人、1年生が2人という顔ぶれ。それだけに、久井コーチは「総合力というか、まだまだ一人ひとりの力が足りなかったです。鍛え直します」とチームの現状を再認識した様子であった。
2回戦は不戦勝となったものの、北陸は久井理を中心にインターハイベスト8の成績を残した。しかも、まだまだ可能性を秘める若い布陣である。昨年を振り返れば、途中棄権を余儀なくされ、ウインターカップでは2回戦敗退だったことを踏まえれば、少しは胸を張ってもいいのではないだろうか。
「チームで一戦一戦勝つことを意識して、メインコートまで来ることができましけど、ここで負けてしまいました。もっと上を目指して、優勝まで行きたいです」
久井理の口からは頼もしい言葉が返ってきた。そして、「また、ウインターカップに戻ってきたいと思います」と続けた。
コート上では4番を背負い、エース兼司令塔として仲間をけん引する久井理だが、実はキャプテンではなく副キャプテンだという。今年のチームを束ねるのは、今大会でマネージャーを務めた山口隼。「僕にとっては1年生の頃からライバルで、常に切磋琢磨しています」と久井理について話す山口は、インターハイ前に右膝をケガしてしまい現在はリハビリに励んでいる段階だ。
取材・文=小沼克年
写真=伊藤 大允