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7月30日、「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の準々決勝が行われ、男女ともにベスト4が決定。男子は福岡第一高校(福岡県)、藤枝明誠高校(静岡県)、開志国際高校(新潟県)、中部大学第一高校(愛知県)の4チームが31日の準決勝へとコマを進めた。
今大会を取材しているなかで見えてきた各校の共通点は、どのチームも『堅守速攻』をスタイルに置いているという点。勝ち進む中でハイスコアを記録している試合が多いものの、あくまでもディフェンスに重きを置き、守備からオフェンスのリズムを生み出すことで勝利を収めている。引き続き自分たちの強みを発揮し、明日の決勝へ進むのは一体どの2チームか。
失敗を恐れずハイペースなバスケットを繰り広げる藤枝明誠は、赤間賢人(2年)と霜越洸太朗のスコアラーが快進撃の大きな要因。2人はチャンスと見れば
容赦なくシュートを放ち、ここまでの4試合では赤間が116得点、霜越(3年)が89得点の活躍でチームをけん引している。福岡第一としても、両選手へは一層の注意を払わなければならない。
藤枝明誠としては、持ち味のスピードで素速い展開を作るポイントガードの谷俊太朗(3年)、1年生センターのボヌ ロードプリンスがキーマンか。両ポジションにバックアップメンバーがいる福岡第一に対し、藤枝明誠は谷、ボヌがベンチへ下がるとややチーム力が下がる印象を受ける。谷には相手ガード陣をおびやかす走力、ボヌにはゴール下での爆発力に期待したい。目指しは2013年以来、9年ぶりの決勝進出だ。
今大会の第1シードである福岡第一は、洛南高校(京都府)との準々決勝を84−58で勝利して弾みをつけた。同校の強みは、スターティングファイブと主に第2クォーターから登場する5人の組み合わせをある程度固定しており、どちらが出ても力が落ちない選手層の厚さだ。
もう一方の準決勝には、前評判の高かった2チームが勝ち上がってきた。第2シートの開志国際と第3シードの中部大第一。両チームは昨年から主力を担ってきたメンバーが多く、昨年のインターハイと今年5月に行われた「能代カップ」でも対戦済み。昨年は開志国際を破った中部大第一が初優勝まで駆け上がり、能代カップでは開志国際が9点差で勝利している。互いに手の内を知り尽くしているともいえる好カードは、指揮官の手腕にも注目だ。
開志国際は、ひとつの山場となった東海大学付属諏訪高校(長野県)との3回戦を7点差でくぐり抜け、準々決勝では地元の尽誠学園高校(香川県)では100点ゲームで快勝を収めた。
ただ、気がかりなのは準々決勝で8分のプレータイムのとどまった介川アンソニー翔(3年)の状態。197センチの同選手は得点源に加えリバウンドでも大きな役割を担うだけに、本調子でなければ198センチのパワーフォワード・境アリーム(3年)のインサイドでの奮起が必要不可欠だ。
攻撃においてはインターハイという初舞台でも堂々とした姿を見せている平良宗龍(1年)にも注目。ここまで11本沈めている得意の3ポイントシュートを炸裂させ、前回王者を破る立役者となれるか。
下山瑛司と小田晟(ともに3年)が果敢なディフェンスでボールを奪えば、そこから5人が一気にリングへと駆け抜ける機動力の高さは相手にとって脅威でしかない。ただ、相手が開志国際となると、得意のトランジションを防がれる場面もこれまで以上に増えるはず。
取材・文=小沼克年
写真=伊藤 大允