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7月27日からスタートした「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」も、残すところあと1試合。8月1日に行われる男子決勝の舞台に立つのは、福岡第一高校(福岡県)と開志国際高校(新潟県)だ。
九州王者で今大会の第1シードの福岡第一と、北信越を制して第2シードから勝ち上がってきた開志国際。両者ともに周囲の期待を裏切ることなく決勝戦まで辿り着いたが、準決勝後の雰囲気は対照的と言えるものだった。
試合後、井手口コーチは「やろうとしたことが全くできていない」とコメントするなど、終始浮かない表情で試合を振り返った。警戒していた霜越洸太朗(3年)と赤間賢人(2年)の両スコアラーの得点を1ケタに抑えるプランを立てていたようだが、赤間には13点、霜越に至っては3ポイント5本を含む27得点を与えてしまい合計78失点。「あまりにもディフェンスがルーズになりすぎていた」と苦言を呈した。
一方、開志国際は連覇を狙った中部大学第一高校(愛知県)を87−74で撃破。9点ビハインドでスタートした第2クォーターで32−15、第3クォーターでも25−12と見事に巻き返し、追いすがる相手を振り切った。
試合はエースの介川アンソニー翔(3年)がゲームハイの36得点を叩き出したほか、ポイントに挙げていたリバウンド争いでも勝利。相手の38本に対し51本をチーム全体でもぎ取ったことが大きな勝因となった。
富樫英樹コーチはここまでの戦いぶりを振り返り、「山場がいくつもありましたけど、子どもたちがよく頑張ってくれました」と自軍を評価。先に決勝進出を決めた福岡第一については「速い!」と単刀直入に印象を述べたが、「高さではこっちにイニシアチブがあるので、そこを徹底的についていきたい」と大一番へ向け意欲を示した。
福岡第一はエースガードの轟に加え、ベンチにもスピードに長けた中村千颯、川端悠稀といった3年生が控える。この3選手がチームを引っ張り、本来の守備力を取り戻せるか。得点面では井手口コーチが復調を望む城戸賢心(3年)、崎濱秀斗(2年)の奮起に期待だ。
福岡第一が優勝すれば、前回出場した2019年以来となる通算4度目、開志国際がものにすれば4年ぶり2回目のインターハイ王者に輝く。8月は始まったばかりだが、本日、高校バスケの夏はいよいよクライマックスを迎える。
文=小沼克年
写真=伊藤 大允