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インターハイ2022女子決勝の見どころ「京都精華学園か、大阪薫英女学院か…全国の舞台で近畿対決が実現」
7月31日、「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の女子準決勝2試合が行われ、京都精華学園高校(京都府)と大阪薫英女学院高校(大阪府)が決勝進出を果たした。
この2チームは、6月の「令和4年度 第69回近畿高等学校バスケットボール大会」(以下近畿大会)でも決勝で対戦。このときは前半で13点のビハインドを負った大阪薫英女学院が、後半に怒とうの追い上げを見せて逆転勝利を飾っている。
また、アンダーカテゴリーの日本代表活動のため近畿大会には出場しなかった堀内桜花、八木悠香(いずれも2年)もインターハイでは元気な姿を見せている。
ポイントガードの堀内は安定したボール運びや巧みなパス、アシストなどで攻撃に貢献。八木はリバウンドからのシュートなど献身的な働きで、チームに欠かせない存在となっている。
そこに近畿大会で活躍を見せた柴田柑菜(3年)が3ポイントシュートとドライブを主体に得点。1年生ながらスターターの座をつかんだ桃井優も伸び伸びとプレーしており、林咲良らバックアップ陣もしっかりと役割を果たしている。
「近畿大会では、最後に自分たちの焦りが出て負けてしまい、悔しい思いをしました。決勝で対戦できたらリベンジを目指してチーム一丸で戦いたいと思います」と語ったのは柴田。決勝進出を決めた時点での相手はまだ決まっていなかったが、大阪薫英女学院との対戦の可能性を聞かれ、こうコメントした。
柴田は近畿大会で奮闘した選手の一人。決勝で敗れた後には悔し涙を流しており、リベンジへの思いは人一倍強いはずだ。
桜花学園戦以降は危なげない戦いを見せる京都精華学園。インターハイは初の決勝進出。昨年のウインターカップでは決勝で敗れているだけに、今夏に悲願の全国大会初優勝を遂げたいところだ。
第2シードで2回戦から登場した大阪薫英女学院は、初戦から準々決勝まで危なげない戦いで勝ち上がってきた。しかし、東海大学付嘱福岡高校(福岡県)との準決勝では、第1クォーターこそ16点のリードを奪ったものの、197センチのファール アミナタの高さに苦戦し、第3クォーター終盤に追いつかれてしまう。その後、一時は9点のビハインドを負ったが、積極的な攻めからアミナタのファウルを誘うと、アミナタがファウルアウトした残り4分半からは、内外とバランス良く加点。残り1分半に逆転に成功し、そのままリードを守り切り、2大会連続の決勝進出を決めた。
大エースは、準決勝でも30得点を挙げた都野七海(3年)。1対1の能力に長け、ドライブから相手ディフェンスを巧みかわしてシュートをねじ込む選手だ。また、14得点挙げた熊谷のどか(3年)も、3ポイントシュートを武器とするポイントゲッター。だが、Wエースは、ともに158センチと決して大きくはない。大阪薫英女学院は主力に大型センターが不在のチームである。
全国の上位争いとなると、高さではどうしてもハンディを負うのだが、そのハンディを補って余りあるほどのディフェンスとシュート力がチームにはある。全ポジションの選手が3ポイントシュートを放つことができ、それを要所で沈めていく。5人がボールを止めない、連携した動きは見事だ。
ただ、近畿大会では前半に外角シュートが入らず苦戦したため、インターハイの決勝戦も3ポイントシュートの確率が勝敗を分けることになるだろう。
また、京都精華学園との対戦ではペイントエリアでの争いに分が悪い。しかし、インサイドを担う仲江穂果(3年)はアウトサイドもできるため、ディフェンスの状況によって攻撃を仕掛け、京都精華学園に対抗したいところだ。
高さで圧倒的に優位に立つ京都精華学園がリング下を制圧し、大阪薫英女学院を押し切るか。大阪薫英女学院が3ポイントシュート攻勢で一気に頂点へと駆け上がるか。互いに手の内を知る近畿対決は、絶対に負けられない思いがぶつかる激しい戦いが予想される。
文=田島早苗
写真=伊藤 大允