7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会（インターハイ）」。夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目選手をピックアップした。

取材・文＝田島早苗
写真＝奥田晃介

■ 太田凜「もっと成長していきたい」

　対戦相手は、どのチームも彼に執拗なマークをほどこす。

　大阪学院大学高校（大阪府）の太田凜は、183センチのフォワード。3ポイントシュートや1対1を主体に次々と得点を挙げていくポイントゲッターだ。

　2月の「第33回近畿高等学校バスケットボール新人大会」では敗れはしたものの、京都精華学園高校（京都府）との準決勝で45得点。6月の「第70回近畿高等学校バスケットボール大会」でも、相手に警戒される中、初戦（2回戦）は20得点、続く準々決勝では29得点、そして東山高校（京都府）との準決勝では15得点と気を吐いた。

「近畿新人大会でベスト4で負けてしまい、今大会でもベスト4で負けてしまったので悔しいです」と、近畿大会を振り返った太田。個人としては「フェイスガードなど激しくマークされたことであまりボールを持てなかったり、シュートを決められなかったりしたので、そこはもっと成長していきたいと思います」と、語った。

全国の舞台でも大暴れが期待される大阪学院大学高校の太田凜［写真］＝奥田晃介

　もはや、近畿ではその得点力は誰もが知るところ。それだけに思うようなプレーをさせてもらえないのだが、その中でもディフェンスの動きを見て「振り切ってボールをもらう」ことや、ボールをもらってからも、ディフェンスの動きと逆に動くことを意識しながら1対1を仕掛けていった。その状況判断と軽やかな身のこなしには目を見張るものがあり、「（マークをされている中でも）ファウルをもらったり、体を寄せたり、間を抜いたり。そういった感覚を持っている」と、指揮を執る高橋渉コーチも言う。

　父はbjリーグの大阪エヴェッサなどでプレーしていた太田和利。小学校2年生からバスケットをはじめて、ミニバス、中学と大阪府で優勝を経験したが、中学では、全国大会出場を目指したものの、新型コロナウイルスの影響で大会自体が中止となった。

　チームの中で「点をたくさん取るエース」でありたいという太田。自身初となるインターハイは、中学時代の思いも乗せ、その実力をいかんなく発揮したいところ。生粋の点取屋・太田凜は、多くの人に見てもらいたいプレーヤーだ。