Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
「先輩たちを超えよう」
2022年のインターハイ、広島皆実高校(広島県)はベスト8進出を果たした。まずは前年の記録に並び、そして超える。新チームはそう目標を立ててスタートした。
前年のチームにはU16、U17の日本代表に選ばれた梶谷崇太(現江戸川大学1年)がいた。絶対的ポイントガードが卒業したものの、現在3年生の小田悠人、齊藤拓真、中村英司は前年から主力として活躍。迎えた「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」の初戦は、新田高校(愛媛県)相手に125得点を奪って突破した。
だが、チームは続く2回戦で敗退。前年のウインターカップを制し、今夏も優勝候補筆頭に挙げられる開志国際高校(新潟県)が立ちふさがった。
「やっぱり去年のウィンターカップチャンピオンは強かったです。今年も澤田(竜馬)選手や平良(宗龍)選手といったペリメーター陣が残っていて、いろいろ対策は練っていたんですけど、高さの部分、経験の部分でやられてしまいました」
広島皆実は小田を含む5選手が2ケタ得点を挙げたが、警戒していた平良に25得点を許し、センターのネブフィ ケルビン シェミリー(ともに2年)には32得点14リバウンドを献上。第4クォーターを前に30点ものビハインドを背負った。
「開志国際さんは本当に強かった。手も足も出なかった印象です」
40分間コートに立ち続けた小田は、開志国際の強さを身にしみて感じたという。もちろん、試合に負けたことは「悔しい」。けれど、開志国際と真剣勝負の場で対峙できたからこそ得られたものもある。
「自分たちは小さいチームですけど、武器にしなきゃいけないスピードの部分でも全国のトップレベルにはまだまだ足りていないんだなって。でも、こういう舞台で自分たちの現在地を知れたのは良かったですし、この経験を冬につなげていきたいです」
185センチでパワーフォワードを務める小田は、どんなに大きい相手がこようがインサイドで体を張り、攻撃では3ポイントシュートでも味方を援護する存在だ。アウトサイドシュートに関しては前年から課題に挙げており、「この身長で中ばかりでプレーしても留学生とかに止められてしまうので、外からもしっかりシュートを決められる選手になりたい」と口にしていた。
新田戦では3本中2本の3ポイントを沈めた。開志国際戦の3ポイントは10本中2本のみの成功と振るわなかったが、「今回は2試合しかできなかったですけど、2試合とも2本はしっかり決めきれた」と小田はプラスに捉える。そして、改めてチームとしての今後を見据え、大会を後にした。
「身長が低い分、ディフェンスの速さと強さ、オフェンスでも走り出しの部分やスピードをもっと意識しないと全国では勝てないので、そういったところを冬までに鍛えていきたいと思います」
文=小沼克年