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『B MY HERO!』
「相手の力が勝っていたと思います。競り合いの場面でもう1つ、2つと、次の手がないとダメだなと感じました」
聖和学園高校(宮城県)を率いる小野裕コーチは、7月28日に北海きたえーるで行われた大阪薫英女学院高校(大阪府)との「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」女子準々決勝をこう振り返った。
試合は37-34で迎えた第3クォーターに逆転され、第4クォーターに背負った9点ビハインドを追い上げたが、2点差に縮めるのが精一杯。最終スコア67-71で準々決勝敗退を喫した。
開始3分でリードを10点に広げた後半の入りは冷静にプレーできたというが、「第3クォーターの途中から相手のプレスディフェンスに対して、ターンオーバーをしたり、コミュニケーションを取れずにノーマークにしてしまったりしました」(小野コーチ)。4大会連続でベスト4に駒を進めた強豪を相手に、「経験の乏しさ」を露呈する結果となった。
「自分たちで主体的に『こうしよう、ああしよう』という言葉が飛び交えば良かったですけど、みんなが人任せになってしまった。そこで強烈な1対1ができるとか、絶対にシュートを入れるとか、そういった部分が少し足りなかったと思います」
聖和学園の先発メンバーは3年生2人、2年生3人。ベンチから19分52秒出場した齋藤凌花は1年生と、下級生が多いチームだ。指揮官は「これからの子たち。この上を目指すにはどうすればいいのかを肌で感じたと思うので、ここからステップアップしてほしいと思いますね」と期待を込めた。
U16女子日本代表の一員として「FIBA U16女子アジア選手権大会2023」を経験した阿部友愛は県立長崎西高校(長崎県)との2回戦で25得点、三田松聖高校(兵庫県)との3回戦で26得点と、ともにチーム最多をマークしたが、フル出場した大阪薫英女学院戦では10得点止まり。ターンオーバー7個と思うようにプレーできなかった。
「ミスやトラベリングをしてしまって、それらを試合中になかなか修正できませんでした。自分のミスが目立ってしまい、チームに迷惑をかけてしまったことがすごく悔しいです」
アジア選手権で学んだ「中に突っ込んでもブロックされてしまうので、ジャンプシュートをどれくらい決められるか」を2試合では活かすことができたというが、「大阪薫英女学院に対してはジャンプシュートをうまく使えなくて、無理やり中に突っ込んでしまうことが多かったと思います」と話した。
準決勝に進出すれば、双子の姉、阿部心愛を擁する桜花学園高校(愛知県)との対戦だった。友愛は悔しさをにじませながら、「さっき姉と会ったんですけど、やっぱり戦いたかったですね。『倒しておくから』と言われました」と、試合後のエピソードを明かした。
「ウインターカップまでにドリブルスキルはもちろん、大事な場面で強い気持ちを持って、シュートフィニッシュを工夫できるように練習していきたいです」。叶わなかった姉妹対決実現に向けて、レベルアップを誓った。