2023.07.29

準々決勝敗退で姉妹対決実現ならず…聖和学園の阿部友愛「やっぱり戦いたかった」

U16日本代表の阿部友愛を擁する聖和学園は準々決勝で大阪薫英女学院に敗戦 [写真]=伊藤大允
バスケ情報専門サイト

「相手の力が勝っていたと思います。競り合いの場面でもう1つ、2つと、次の手がないとダメだなと感じました」

 聖和学園高校(宮城県)を率いる小野裕コーチは、7月28日に北海きたえーるで行われた大阪薫英女学院高校(大阪府)との「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」女子準々決勝をこう振り返った。

 試合は37-34で迎えた第3クォーターに逆転され、第4クォーターに背負った9点ビハインドを追い上げたが、2点差に縮めるのが精一杯。最終スコア67-71で準々決勝敗退を喫した。

 開始3分でリードを10点に広げた後半の入りは冷静にプレーできたというが、「第3クォーターの途中から相手のプレスディフェンスに対して、ターンオーバーをしたり、コミュニケーションを取れずにノーマークにしてしまったりしました」(小野コーチ)。4大会連続でベスト4に駒を進めた強豪を相手に、「経験の乏しさ」を露呈する結果となった。

「自分たちで主体的に『こうしよう、ああしよう』という言葉が飛び交えば良かったですけど、みんなが人任せになってしまった。そこで強烈な1対1ができるとか、絶対にシュートを入れるとか、そういった部分が少し足りなかったと思います」

 聖和学園の先発メンバーは3年生2人、2年生3人。ベンチから19分52秒出場した齋藤凌花は1年生と、下級生が多いチームだ。指揮官は「これからの子たち。この上を目指すにはどうすればいいのかを肌で感じたと思うので、ここからステップアップしてほしいと思いますね」と期待を込めた。

 U16女子日本代表の一員として「FIBA U16女子アジア選手権大会2023」を経験した阿部友愛は県立長崎西高校(長崎県)との2回戦で25得点、三田松聖高校(兵庫県)との3回戦で26得点と、ともにチーム最多をマークしたが、フル出場した大阪薫英女学院戦では10得点止まり。ターンオーバー7個と思うようにプレーできなかった。

大阪薫英女学院戦では本来の得点能力を発揮できず [写真]=伊藤大允

「ミスやトラベリングをしてしまって、それらを試合中になかなか修正できませんでした。自分のミスが目立ってしまい、チームに迷惑をかけてしまったことがすごく悔しいです」

 アジア選手権で学んだ「中に突っ込んでもブロックされてしまうので、ジャンプシュートをどれくらい決められるか」を2試合では活かすことができたというが、「大阪薫英女学院に対してはジャンプシュートをうまく使えなくて、無理やり中に突っ込んでしまうことが多かったと思います」と話した。

 準決勝に進出すれば、双子の姉、阿部心愛を擁する桜花学園高校(愛知県)との対戦だった。友愛は悔しさをにじませながら、「さっき姉と会ったんですけど、やっぱり戦いたかったですね。『倒しておくから』と言われました」と、試合後のエピソードを明かした。

「ウインターカップまでにドリブルスキルはもちろん、大事な場面で強い気持ちを持って、シュートフィニッシュを工夫できるように練習していきたいです」。叶わなかった姉妹対決実現に向けて、レベルアップを誓った。

ともにU16日本代表に名を連ねる心愛(左)と友愛(右) [写真]=伊藤大允

BASKETBALLKING VIDEO