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7月28日、「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」は女子準々決勝が行われ、大阪薫英女学院高校(大阪府)、桜花学園高校(愛知県)、京都精華学園高校(京都府)、札幌山の手高校(北海道)が準決勝進出を決めた。
第1シードの大阪薫英女学院は、初戦となる2回戦、続く3回戦といずれも出だしでリードを奪っての勝利。しかし、聖和学園高校(宮城県)との準々決勝では第1クォーターから追いかける展開となり、後半に逆転をしたものの、終盤まで接戦を強いられた(71―67)。
今年のチームは、昨年の都野七海(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)のようなスーパースターはいないが、双子の木本桜子と桃子に島袋椛(いずれも3年)と、どこからでも得点が可能な布陣。さらに「今年の良さはディフェンス」(安藤香織コーチ)と、堅いディフェンスも持ち味とする。準決勝では得点力の高い選手がそろう桜花学園高校(愛知県)をチームディフェンスで抑えたいところ。聖和学園戦では「気持ちが引いてしまった」(安藤コーチ)が、桜花戦では「向かっていける」と、これまで幾度となく日本一を阻まれた相手に全力で挑む。
「3回戦でアクシデントがあった中、それまで控えだった選手たちがよくやってくれました」と、準々決勝を振り返った長門明日香コーチ。スターターの松本加恋(3年)が3回戦での負傷により準々決勝は欠場となったが、代わりにスターターを担った齋田夢良(2年)をはじめ、バックアップメンバーたちの奮起を称えた。
また、ここにきて「うれしい誤算」と指揮官が目を細めるのが白石弥桜(2年)で、「メキメキと成長していて、ディフェンスだけでなくオフェンスでも積極性が見られます」(長門コーチ)という。同じく2年生の深津唯生もリバウンドなどでチームを支えており、準決勝に向けては、「得意な部分を出していきたいです。外回りは田中こころ(3年)がやってくれると思います」と、長門コーチはキャプテンにも期待を寄せていた。
もう一つの準決勝は、昨年のウインターカップ決勝の再戦となった。だが事情は異なり、京都精華学園は、堀内桜花、八木悠香(ともに3年)ら昨年から主力を務めた選手が残っているが、札幌山の手は昨年からのスターターは谷口憂花(3年)のみ。スターターの顔ぶれは大幅に変わっている。
札幌山の手は、ここまでの3試合では常に先行する戦いで、ボールと人が動き、ズレを作ってからのシュートなど相手ディフェンスを翻弄してきた。谷口と大山瑚南菜(3年)を起点に得点を重ね、1年生ながらスターターの重積を担う髙橋優希(1年)もシュート力のある選手だ。
しかし、富岡東高校(徳島県)準々決勝では後半に続けて失点。さらにリバウンドでもトータル本数が札幌山の手の40本に対して富岡東が42本と、身長で勝っているのにも関わらず、相手に多くリバウンドを許した。
「小さい選手にリバウンドを取られ、ディフェンスもヘルプに行かない。ボールを追うといった一番大事なことをやっていない甘さがある」と、試合後の上島正光コーチは厳しいコメント。準決勝に対しては、「ディフェンスで大きい選手をいかに抑えるか」をポイントに挙げ、「インサイドでは(思うような)プレーができないため、外のシュートが入らないと話にならないと思います」とも語っていた。
加えて「プレッシャーにつぶされることなく、ボール運びから3ポイントシュートも比較的に冷静にやっている」(山本コーチ)という林咲良(2年)が今大会では落ち着いたプレーを見せており、バックアップのセンター、ユサフ ボランレ(2年)もプレータイムが伸びている。
いずれもディフェンスをチームの強みにしている4チームだが、オフェンスの特長は異なる。それだけに、どのチームも自らのスタイルを貫きいて勝利を手繰り寄せたいところだ。注目の準決勝は、第1試合の『大阪薫英女学院 vs 桜花学園』が10時から、第2試合の『京都精華学園 vs 札幌山の手』は11時50分からティップオフとなる。
文=田島早苗
写真=伊藤大允