3時間前

【ウインターカップ注目選手】林咲良(京都精華学園)プレーで示してきた絶対的リーダー

京都精華の大会3連覇をけん引する林咲良 [写真]=伊藤大允
フリーライター

 思えば2月に行われた「第34回近畿高等学校バスケットボール新人大会」がこの1年間の戦いを象徴していたのかもしれない。

 奈良県で開催された近畿新人大会、京都精華学園高校は、これまで幾度となく熱戦を演じてきた大阪薫英女学院高校(大阪府)と決勝で対戦した。前半こそ大きなリードを奪った京都精華学園だったが、後半に相手のゾーンディフェンスに攻め手を欠いて追い上げられると、その後は1点を争う展開に。しかし、ここで勝負を決めたのが林咲良(3年)で、大阪薫英女学院が京都精華学園を突き放そうとする度に林がシュートを沈めて流れを渡さず。最後も林がトドメの3ポイントシュートを沈めて競り勝った。

勝負強いシュートも林の武器 [写真]=伊藤大允


 その後も近畿大会やインターハイ、U18日清食品トップリーグとあらゆる大会で接戦の展開には必ず林がシュートを決めて勝利を引き寄せてきた。今年のチームはインターハイ、ウインターカップでは3連覇が掛かっており、そのプレッシャーは大きかったが、2月の時点で林は「柱の選手が抜けた分を自分たちがどう埋めるか。自分たちの形を作って、昨年が3冠(インターハイ、U18日清食品トップリーグ、ウインターカップ)したからといってそれをプレッシャーに感じないように。チャレンジャーとしての気持ちを持って、全員で一から日本一という目標に立ち向かっていきたいです」と、思いを語っている。

 かくしてその言葉通り、挑戦者として一戦一戦、勝ち抜いていき、全国優勝を自分たちの手でつかんできた。チームをまとめる統率力、そしてコート上ではポイントガードとしてオフェンスを組み立て、隙あらば自らも積極的な攻めで得点を挙げていく。もちろん、ディフェンスでの貢献も大きい。あらゆる面で先頭に立ってチームを引っ張ってきた林。高校最後の大会となるウインターカップでも、これまでと変わらず、先を見過ぎることなく、目の前の試合に全力を注ぐ構えだ。

文=田島早苗