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12月23日から30日にかけ、東京体育館をメイン会場に行われる「SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。高校日本一を決める冬の風物詩の開幕を直前に控え、男子の部をブロックごとに展望する。
左上は、インターハイで初優勝を成し遂げた東山高校(京都府)がリード。昨年からオフェンスの中心を担う瀬川琉久(3年)と佐藤凪(2年)はプレーの選択肢が増え、今まで以上に頼もしいプレーヤーへと進化した。今年はシューターの中村颯斗(1年)を加えた3ガードを形成。南川陸斗や松島慎弥などの脇を固める3年生たちも、ベスト8で敗れた昨年のリベンジに燃えている。
反対側には前回大会ベスト4の藤枝明誠高校(静岡県)と土浦日本大学高校(茨城県)、さらには1回戦で激突する正智深谷高校(埼玉県)と東海大学付属諏訪高校(長野県)など常連校がひしめく。果たしてどのチームが抜け出すのか見ものだ。
左下の第4シードには福岡大学附属大濠高校(福岡県)が位置。渡邊伶音、湧川裕斗、髙田将吾の3年生に加え、2年生ガードの榎木璃旺は昨年もスターティングファイブを務め準優勝の成績を収めた。初戦から手強い相手との対戦となるが、前回の悔しさと豊富な経験値を武器に日本一だけを見据える。
福大大濠との2回戦へ進むのは日本航空高校(山梨県)か、それとも仙台大学附属明成高校(宮城県)か。初戦の好カードでもある対戦は、2023年のインターハイ優勝メンバーを擁する日本航空を、仙台大明成がいかに苦しめることができるか。その中でも日本航空のオルワペルミ ジェラマイアとのマッチアップが予想されるセンターの近怜大成(ともに3年)の出来がカギとなりそうだ。
逆の山では、インターハイ8強の報徳学園高校(兵庫県)、注目のスコアラー・十返翔里(3年)を擁する八王子学園八王子高校(東京都)が有力候補。両校ともに競り合いが予想される初戦を制して勢いに乗りたい。
右上のブロックは、両端に位置する福岡第一高校(福岡県)と開志国際高校(新潟県)による準々決勝が濃厚。そこに洛南高校(京都府)や尽誠学園高校(香川県)、北陸学院高校(石川県)などが割って入れるか、という構図になるだろう。
ディフェンディングチャンピオンの福岡第一は、昨年の主力が抜け若いチームへと様変わり。真骨頂の堅守速攻を引っ張るのは宮本聡・耀の双子の2年生ガードで、ベスト4進出へは八田滉仁、サー シェッハら3年生たちの奮闘が必須だ。
一方、開志国際は下級生の頃から経験を積んできたメンバーが多数。その中でも2021年のウインターカップ制覇にも貢献した清水脩真、平良宗龍(ともに3年)には大きな期待がかかる。インターハイでは部員6名で1回戦を突破した和歌山南陵高校(和歌山県)の戦いにも注目したい。
︎左下の第2シードには、インターハイと「U18日清食品トップリーグ2024」で初の準優勝の成績を収めた美濃加茂高校(岐阜県)が入った。チームの中心はスタメンを担う3年生5人。キャプテンの藤田大輝、攻守のキーマンでもある後藤宙、高さとフィジカルを備えるエブナ フェイバーなどバランスの取れた布陣で、連動性のあるディフェンスからの素早い展開でスコアを重ねる。
インターハイでベスト8に入った鳥取城北は、堅い守備からの速攻が持ち味。キャプテンの蓑原歩が攻撃を組み立て、エースの内山晴輝(ともに3年)、留学生センターのハロルド アズカらが得点を引っ張る。初の全国ベスト4進出を果たし、今大会のダークホースになれるか。
前回大会は福岡第一がノーシードから冬の日本一に輝いた。実力が拮抗し、優勝予想が困難な今大会も数々のドラマが生まれるだろう。
文=小沼克年