2022.01.09

未来の優勝請負人…瀬川琉久(ゴッドドア)「日本一のガードと呼ばれるようになりたい」

勝負どころでシュートを決めたゴッドドアの瀬川琉久 [写真]=バスケットボールキング
バスケットボールキング編集部

 1月8日、「Jr.ウインターカップ2021-22 2021年度 第2回全国U15バスケットボール選手権大会」は大会最終日を迎え、男子決勝ではゴッドドア(兵庫県)がKAGO CLUB(大阪府)と対戦。この試合、ゴッドドアが前半にリードを奪ったが、KAGO CLUBも第4クォーターに粘りを見せて4点差まで追い込むも、ゴッドドアが振り切り68−58で勝利。初出場初優勝を果たした。

 この試合で両チーム最多の28得点をマーク、リバウンドも16本とダブルダブルを達成したのが瀬川琉久。瀬川は相手チームの激しいマークにあいながらリングにアタック。特に終盤に追い上げられた場面では勝負強くシュートを沈め、チームに勝利を呼び込んだ。まさに優勝請負人とも呼べる活躍だった。

 瀬川は大会を通しても1試合平均24.0得点14.8リバウンドで出場選手中1位を記録。さらにフリースロー成功率でも72.0パーセントをマークして、この部門でもトップとなった。

「全中では4校優勝でしたが、それがとても悔しくて。だからジュニアウインターカップにかける思いが強かったので、優勝できて本当にうれしいです」

 表彰式終了後、メディア対応を行った瀬川はそう笑顔で答えた。昨年、群馬県で行われた全国中学校バスケットボール大会(全中)では、準々決勝で敗れたチームの関係者に発熱症状が出たため、準決勝進出の2チームが新型コロナウイルスに関するガイドラインに抵触したため棄権。これに伴い、残り2校も棄権を申し出て、その結果、4校が同時優勝という結果となった。

 瀬川はその4校の1つの本山南中学にも所属しており、その異例の措置を受け入れられなかったのだろう。全中での悔しさをモチベーションに今大会でも優勝を目指していた。

 ゴッドドアでは2〜3時間の練習の中、身体操作というトレーニングで体幹などを鍛えるメニューを40分程度毎回行うという。「(それで)軸がブレなくなって、その分ボールハンドリングも良くなり、コンタクトされてもブレずにスムーズに動けるようになった」ことで、瀬川は常にリングにアタックするスキルを身につけたという。

 決勝ではシュートがリングを弾く場面があったが、「自分がシュートを決められない時は力が入っていたり、視野が狭くなったりしている時なので、その時に力を抜いて。冷静な判断をしようと思いました」と修正。試合を決める大事な場面では託されたボールを次々とリングを通過させた。

 将来はNBAでのプレーを夢見るが、その過程として、ウインターカップ優勝、さらには日本代表に入って、「日本一のガードと呼ばれるようになりたい」と未来予想図を描く。今大会の登録身長は183センチ。まだ「年に3センチ伸びている」(瀬川)とのことなので、どんなガードの成長するのか、大いに期待したい。

ボールへの執着心も見せてくれた瀬川 [写真]=バスケットボールキング


文=入江美紀雄