Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
8月21日〜23日の期間で行われた「第52回全国中学校大会」。その中で、高い得点能力を発揮したのが女子準優勝となった樟蔭中学校(大阪府)の金澤杏(3年)だ。
予選リーグから決勝戦まで、計6試合の平均得点は26.7点。特に本人も以前から大好きなプレーだという1対1では、巧みなドリブルワークから面白いようにディフェンスをかわし、次々とシュートを決めていった。
日頃からチーム練習で行っているドリルも1対1のスキルを磨くためのプラスになっているとのこと。また、YouTubeなどで千葉ジェッツの大倉颯太の映像を見て参考にしているそうだ。
大阪対決となった大阪薫英女学院中学校との準決勝では34得点を奪取。3ポイントシュートも的確に沈めるなど、追いかける大阪薫英女学院の反撃の芽をことごとく摘んだのは、金澤の得点だったといえる。
この樟蔭の絶対的エースに対し、決勝では相手の四日市メリノール学院中学校(三重県)も2人の選手が交代しながらフェイスガードで執拗にマーク。金澤もボールを持つことができず、思うような攻めをさせてもらえなかったが、本人は「逆にうれしかったです」と目を細める。
また、「5対5より4対4の方がディフェンスのカバーも少なくて攻めやすいし、樟蔭は自分だけじゃなくほかの4人や控えの選手も全員が攻めるので、みんなにオフェンスを任せていました。そうしたら自分のマークも緩くなってきたので、ボールを持ったときは果敢にリングに向かうようにしました」とコメント。試合中は冷静に状況を判断できていたと振り返った。
決勝戦は、全6試合の中では一番得点が少なかったものの、それでも3ポイントシュート3本を含む19得点。ハードなディフェンスが持ち味の四日市メリノール学院を相手に怯むことなく、強気で攻め続けた。
最後は66―68と接戦の末に敗れて準優勝だったが、試合後の樟蔭の選手たちは、笑顔が弾けていた。
「私たち、予選がサブアリーナでの試合だったので、目標が『脱サブアリーナ』だったんです。だから、勝ってここまで来ることができたのがうれしいしです」と理由を語った金澤。彼女もまた、達成感に満ちあふれた表情を見せていた。
あこがれの選手は中学校の先輩でもある大阪薫英女学院高校(大阪府)の木本桃子&桜子(2年)。今年のインターハイでも活躍した木本ツインズのように、「高校でもどこでも、全国で通用するような選手になっていきたいです」と、目を輝かせながら今後の目標を語っていた。
取材・文・写真=田島早苗