2024.01.05

憧れの存在は「エブリン選手」…ジュニアウインター制覇を目指すJ,sphereの岩田莉奈が27得点

チームメートからも厚い信頼を寄せられているJ,sphereの岩田莉奈[写真]=バスケットボールキング
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 1月4日、武蔵野の森総合スポーツプラザで『京王 Jr.ウインターカップ2023-24 2023年度 第4回全国U15バスケットボール選手権大会』が開幕。第1回大会から3大会連続で女子ベスト8以上の成績を残しているJ,sphere(愛知県)が85-54でAC(熊本県)に勝利し、初戦を突破した。

 第1クォーターは26-21と互いに点を取り合う一進一退の攻防となったが、5点リードで迎えた第2クォーターをわずか6失点に抑え、その差を14点に拡大。ハーフタイム明けの第3クォーターには、J,sphereの背番号8・岩田莉奈(3年)が5連続得点を上げるなど一気に突き放し、最後は31点差をつける快勝で2回戦進出を決めた。

 身長171センチの岩田は、ベスト4まで勝ち上がった1年時からベンチ入りし、昨年度からチームの主力に。「3年生という立場になったので、自分が勝たせないといけない」と、使命感を持って今大会初戦のコートに立ったという。前半はポストプレーで基点となりながらスコアを伸ばせずにいたが、「後半は絶対に全部点を取るぞという気持ちで臨みました。1本入ってつながったので良かったです」とペイント内で得点を量産。終わってみれば3ポイント2本を含む27得点12リバウンド3アシスト6スティールの活躍だった。

 そんな岩田が憧れの選手として挙げたのは、日本代表としても女子バスケ界をけん引してきた馬瓜エブリン(デンソーアイリス)。「エブリン選手は気持ちが強くて、中にどんどんアタックできる選手だと思います。メンタル面で尊敬しています」と、自身の理想の選手像を明かした。また、今大会の目標は「日本一です」と即答し、「全試合で一番得点を取って、チームに流れを持ってこられる選手になります」と力を込めた。

 大勢が決した試合終盤には、右膝にテーピングを巻いた神谷悠月(2年)のコーナースリーにベンチが沸く場面もあった。「小学生の時に前十字靭帯を切って、ずっと手術ができなくて中学2年生になってから手術しました。このジュニアウインター明けくらいに完全復帰の予定で調整してきました」。怪我の影響もあって1年時はほとんどプレーできなかったが、「監督の言ったことをまとめて、みんなに配ったり、マネージャーみたいな仕事をしていました」と、裏方としてチームを支えてきたという。得点源としてチームをけん引する岩田も「本当にうれしかったです。悠月を出すために点差を離そうとチームメートと話していたので。決めてくれてめっちゃうれしかったです」と、満面の笑みで振り返った。

 岩田同様、神谷にも改めて“憧れの選手”を問うと、「鈴木かのちゃんと(岩田)莉奈ちゃん。いつも2人ともコートの中でも外でもチームを引っ張ってくれるし、試合でも活躍してくれるので、すごく尊敬しています」と頼れる先輩への思いを明かし、悲願の日本一へ向けて「試合に出られる機会はそんなにないと思いますけど、他の選手達に声をかけたり、コミュニケーションの面で3年生を笑顔で終わらせられるように協力したいと思います」と話した。

 J,sphereの2回戦は5日12時30分から。グラシアス広島(広島県)との接戦を制したDiamond Leaps(石川県)と対戦する。