2024.01.05

佐敷中・平良美海38得点の活躍でJr.ウインター初勝利…「全国の舞台で3Pを」大ケガの仲間思いチーム一丸

中3になり「これ履きたい」と黒いシューズを履き始めたという平良[写真]=バスケットボールキング
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 1月4日、武蔵野の森総合スポーツプラザで『京王 Jr.ウインターカップ2023-24 2023年度 第4回全国U15バスケットボール選手権大会』が開幕。女子初出場の南城市立佐敷中学校(沖縄県)が83-55でRamper(JBA推薦)に勝利し、2回戦進出を決めた。

 先制3ポイントを決めた司令塔の平良美海を中心に、立ち上がりから7-1のランで好スタートをきった佐敷中は、第2クォーターも堅守速攻が光り、41-22の大量リードで前半終了。ハーフタイム明けの第3クォーターも手を緩めることなく、最後は28点差をつけての快勝だった。

 平均身長157センチという比較的小柄なチームのなか、一際存在感を放ったのが背番号8の平良(3年)。平良自身も157センチと決してサイズはないが、鋭いドライブに華麗なアシスト、高いシュート力で、視線を引き付ける存在だった。「中学では初めての全国大会。自分のプレーができたらチームが良い方向に行くと思っていました。今まで練習してきたことを発揮して、自信を持ってプレーしようと思っていました」との言葉通り、チーム最長となる30分に出場し、5本の3ポイントを含む38得点9リバウンド6アシスト5スティール。いずれもゲームハイの活躍で、チームを勝利へと導いた。

 そんな快勝劇の中、チームが最も沸いたのは試合終了間際、背番号10の小谷沙希乃(3年)が得点を挙げた瞬間だった。選手同様にベンチで喜ぶ姿が印象的だった知念邦和ヘッドコーチは、「彼女は3年生になって沖縄県のシードを決める地区大会で右膝の前十字靭帯を切りまして、それから手術とリハビリで今日まで試合に出られなかったんです。一つの目標として、Jr.ウインター予選の決勝に立たせてあげようと地道にやってきたけど、間に合わなかった。じゃあ全国の舞台で3ポイントを決めようと、本人も必死に3ポイントだけを打ち続けてきました。ぜひチャンスがあればコートに立たせてあげたいという思いがありました」と、その経緯を明かす。

 そんな小谷に訪れた最初のチャンスは前半終了間際。第2クォーター残り14秒で念願の舞台に初めて立ったが、ここは司令塔の平良がターンオーバーしシュート試投ならず。そして迎えた第4クォーター残り40秒、再びコートインすると、左コーナーから放った1本目のシュートは外れたものの、残り7秒で同じ左コーナーから3ポイント成功。4面仕様の広いアリーナのなかでも一番の盛り上がりだった。

 試合中のクールな姿とは違い、笑顔で取材に応じる姿が印象的だった平良は、「前半に出た時は自分のファンブルでシュートを打たせることができなかったんですけど、後半ミスを生かして、どうやったら彼女が気持ちよく打てるかということを考えていました。最後に決めてくれたのでめっちゃうれしかったです」と、その瞬間を振り返り、シュートを決めた小谷は「緊張していたんですけど、ここまでみんなが連れてきてくれたので、1本でも決められたらなという気持ちでいました。めちゃくちゃうれしかったです」と、チームメートへの感謝も口にした。

 チーム一丸で目指した“3ポイント”で、記念すべき初出場初勝利を彩った佐敷中。5日に行われる2回戦では、前回大会16強のNORD BREZZA U-15(北海道)と対戦する。

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