2019.09.05
いよいよ最終エントリー12名が決定して、FIBAワールドカップ2019決戦の地、中国へ旅立った男子日本代表。8月、W杯出場チームと精力的にゲームを行った日本代表にあって、馬場雄大(アルバルク東京)がこれまで以上に思い切りのいいプレーを見せている。7月のNBAサマーリーグでつかんだ手ごたえを口にするその顔からは、静かな自信がみなぎっていた。
取材=入江美紀雄、写真=伊藤 大充
取材協力=DAZN
――本番が段々近づいていますが、自分の気持ちは?
馬場 もちろん高まる気持ちはありますが、それ以前にいかに自分たちのバスケをするかに徹底することが大事だと思っています。そこの冷静さを持つべきかなと思っています。熱さと冷静さを半分ずつ持つようにしています。
――八村塁(ワシントン・ウィザーズ)選手、渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)選手、ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)選手が入って、自身の役割に変化は?
馬場 誰が出るとかじゃなくて、各選手に求められていることが決められています。その役割を全うしたいと思います。
――自身のコンディションは?
馬場 ハッスルは日本に求められていることだと思っています。それが勝敗を分けると思っているので、自分は体も強いですし、先頭切ってやりたいです。そのために準備しています。
――八村選手、渡邊選手、ファジーカス選手が出ているとき、馬場選手が上手くバランスをとっていたように見えました。意識はしていますか。
馬場 ニュージーランドとの2戦目は雄太は試合勘を取り戻すための試合だったので、案の定コミュニケーションが取れずミスも多かったと思います。ただ全員がチームのためにバスケをするという共通意識があるので、そういった意識がプレーに表れたのかなと思います。
――NBAサマーリーグでの経験が馬場選手を変えた部分があると思います。
馬場 気持ちの持ちようが行く前と大きく変わりました。外国人選手と戦って当たり前、それが自分の中でスタンダードになりつつあります。そこで物怖じせず、結果を残せるという思いがサマーリーグで芽生えました。対等かそれ以上を目指してやるという気持ちです。
――「戦う」ということですか?
馬場 命を懸けているというか…。バスケに対する意味合いが全く違っていて。甘いままじゃダメだと思って、1個1個のボールに対する執着心が変わりました。いい影響を受けたと思います。
――やはり渡邊、八村と両選手とコートに立つことは楽しいですか?
馬場 そうですね。やっぱり、光ですから。今の日本バスケ界にとって2人は希望であり光なので、一緒にできて光栄です(笑)。自分もそこを目標にやっていますが、NBA選手になれたとしてもチームの勝利を優先してやっていきたい。そういう部分に馬場雄大らしさを感じてもらいたいと思っています。
――W杯ではアメリカやヨーロッパの強豪と戦います。
馬場 正直強い。アジアとは比べ物にならないと思います。ただ勝負に絶対はない。今の日本代表はそれをやれるチームだと思っています。最大限準備して、自分たちのバスケをしたいと思います。
――2006年、日本で開催された世界バスケは見ていましたか?
馬場 13年前ですよね。ポスターが家に貼ってあったのは覚えていますが、見てないですね(笑)。
――その舞台でプレーする自分をイメージできますか?
馬場 未知なる世界ですね。今回の12名の中では竹内兄弟(公輔、譲次)しか知らない世界に、みんなで失うものなどないという気持ちで飛び込むというイメージです。それが良いように作用してファンを喜ばせたてあげられるような試合をしたいなと思います。
――その後には東京五輪も控えています。
馬場 今日本ではバスケがブームですけど、定着させるには結果を残し続けなくてはならない。W杯、五輪で結果を残すだけでなく、個人としても世界に羽ばたいたり、常に結果を残していきたいです。そうすれば、日本のスポーツ界でのバスケの立ち位置も変わると思うので、チャンスだと思って頑張るだけです。
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