2024.07.19
「(試合の)入りがチームとしても良かったし、自分も有明で2試合目だったので少しナチュラルに動けた気がして、そこはちょっとうれしかったですね」
23分22秒の出場で8得点7リバウンド1アシストをマークしたジェイコブス晶(ハワイ大学)は勝利で終えた試合をこう振り返った。
7月7日、有明アリーナで行われた「SoftBank CUP 2024(東京大会)」の第2戦。男子日本代表は5日に続いて男子韓国代表と対戦した。
第1戦では1点差で敗れていた日本にとってはリベンジとなる一戦。だが、序盤に主導権を握ったのはこの試合も韓国で、日本は第2クォーター中盤まで韓国を追いかける時間が続いた。それでも、第2クォーター終盤から日本は猛追。韓国を捉えると、43ー39と逆転に成功して前半を終えた。
この追い上げに加勢したのがジェイコブスで、持ち味の3ポイントシュートやリバウンドなどで貢献。4点リードで迎えた後半も高さを生かしたリバウンドなどで奮闘した。最終的に河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)の活躍もあった日本が88-80で勝利。ジェイコブスも後半にも得点を挙げるなど存在感を発揮した。
試合後、自身のパフォーマンスについて問われたジェイコブスは、「今回はオフェンスリバウンドも取れた」と、リバウンドに関しては一定の手応えを感じた様子だったが、「ディフェンスの方で『アンドワン』を3回とミスしてしまったので」と、課題も口にした。ただ、「完璧な試合はないので、そういったことは学んで、次の試合でしないようにしたいです」とも発する。
ディフェンスに関しては本人も課題として捉えているが、「1年前と比べれば何倍も良くなっていると思います。でも、世界レベルにはもう少し。観客が多いところでも声が通じるようにしないといけなし、そういうところでもどんどん(ディフェンス力を)上げていきたいと思います」と、成長も感じている。
また、第1戦の3本に続いて第2戦でも2本を沈めた3ポイントシュートについては、「僕自身は(第1戦と)同じように打っていました。何本か打てた場面で打てていなかったのですが、いつも僕は自信持って打っています」という。加えて、試合では練習でやってきたことを同じように出すことを意識しているとのことで、「試合で活躍しても活躍しなくても、同じように自分に自信を持っています」と、試合に臨む気持ちの面も教えてくれた。
北海道の北海きたえーるで行われた「日本生命カップ2024(北海道大会)」では第2戦に出場したが2本放った3ポイントシュートを決められず悔しい思いをした。そして迎えた「パリ2024オリンピック」前の国内最後の国際強化試合となる「SoftBank CUP 2024」では2試合に出場し、その能力をいかんなく発揮した。
「(日本生命カップの)オーストラリア戦では自分を見せられなかった気がしていたので、まずはうれしい気持ちがあります」と、笑顔を見せたジェイコブス。この2試合は自信になったと言いつつも、「この2試合で僕の100パーセントはまだ見せられていないと思います。少しずつ経験を積み上げていけばもう少し自信が出てくると思うし、もう少し自分が動きたいように動けるようにはなってくると思います」と、まだまだ上を目指す。
日本代表候補となりパリに向けた強化合宿に呼ばれたときから、「(パリへの)チャンスがある」と感じ、五輪出場を照準に取り組んできた。そしてオリンピックのメンバー選考が掛かっていた2試合でしっかりと結果を残した。
第2戦を終えてメディアの前に立った20歳は、「自分はこの2試合で自分のできるだけのことをやったと思うので、これからの結果は分からないけれど、自分は頑張れたと思います」と、胸を張った。
パリに向けたメンバー12名は間もなく発表となる。現時点ではまだわからないが、有明アリーナでしっかりとインパクトを与えた将来性豊かな203センチのスモールフォワードは、チームのテーマでもある「SHOCK THE WORLD」を体現する逸材であることは間違いない。
文=田島早苗
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