2025.08.13

日本代表がレバノンに敗戦も若手躍動…バトンタッチの「プロセス」と語るホーバスHC

ベンチから指示を送るトム・ホーバスHC[写真]=fiba.basketball
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 男子日本代表(FIBAランキング21位)は8月12日、「FIBAアジアカップ2025」準々決勝進出決定戦で前回大会準優勝のレバノン代表(同29位)と対戦。73-97で敗れ、決勝トーナメント敗退となった。

 グループステージでは富永啓生を中心に徐々に3ポイントシュートの調子を上げ、過去1勝4敗のレバノンに挑んだものの、最大点差26点をつけられ敗れた日本。トム・ホーバスヘッドコーチは主な敗因を「相手のフィジカルの、オンボールディフェンス、プレッシャーが負けた。そこから全然オフェンスのペイントアタックもできなくて、そこからうちのリズムができなかった」と振り返る。会場で大声援を送るレバノンの応援団の圧もあり、「アウェーゲームの雰囲気がすごい、すごかった。そこがちょっと効きましたかなと思うんですけど。まあ、今日の鍵はもうフィジカルのバスケで負けた。で、足も止まってた」と話す。

 また、グループフェーズでは大会トップのスティール数を誇りアグレッシブなディフェンスを展開するレバノンを「みんなわかっていた」としながら、結果的にターンオーバーからのカウンターで相手に18得点を許したことにも反省の色を見せた。

 しかし、ワールドカップ予選に向け危機感を感じているのか聞かれると、「センス・オブ・エージェンシー(危機感)はいつもあるんですけど、センス・オブ・エージェンシーより、やっぱり、経験ある選手がいなくなって、若い選手使って、バトンタッチの問題もあるんです。でも、それがもうプロセスですよ。だから、やばい、じゃないんですよ。全然、全然ないです」と、選手のステップアップにとって必要な負けであったことも認めている。

 「このチームはまだまだまだまだ、うちの天井に近くに行ってないんですよ。だから、すごい波があって」「途中で終わって、すごく本当に残念。もっともっとやりたい」とチームが完成し切る前に敗退となったことに悔しさを滲ませたが、その中でもポジティブなことはあったと語る。

 ベンチから出場したジャン・ローレンス・ハーパージュニアジェイコブス晶が「いい仕事をした」と高評価。これまでディフェンス面では太鼓判を押されていたが、オフェンスで少し不安があったというハーパージュニアだが、「ハーパーはペイントアタックがよくできる。で、そこから、彼の判断、どこにキックアウトかな。でも今日はすごい良かったと思います。これはよく考えて、パスが良かった」と賛辞を送った。ジェイコブスに対しても「リバウンドもできるし、シュートも入る。今日はドライビングレイアップも入ったから、それもすごい良かった」と信頼を覗かせる。

 11月にチャイニーズ・タイペイと対戦する『FIBAワールドカップ2027アジア予選 Window1』については「渡邊雄太選手や河村選手とかもやりたい気持ちがある」と明かし、どの選手が出場可能かもわからないため、大会に向け「違うチームを作ります」と意気込みを見せた。怪我から復帰した西田優大も「今回は色々波あったけど、彼のオンボールディフェンスも使いたい」とし、新シーズンからレバンガ北海道でプレーする富永についても「これから日本にいるから、もっともっともっと代表で色々できるかなと思う。それもすごいポジティブ」と未来を見据え、また新たなチームを作り上げることへの期待が高まる。

 

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