2025.08.12

1勝4敗の壁に挑む日本代表…富永啓生、ジョシュ・ホーキンソンの活躍が逆転の鍵

日本代表の躍進の鍵を握る富永(左)とホーキンソン(右)[写真]=fiba.basketball
バスケットボールキング編集部

 FIBAアジアカップ2025、ベスト8をかけた準々決勝進出決定戦で、日本はレバノンと対戦する。アジアカップにおける両国の対戦は過去5試合で1勝4敗。これまでの結果からすれば与しやすい相手ではないが、大会に入っての成長、さらに勢いを感じざるを得ない。レバノン戦勝利の鍵を握るのは、富永啓生ジョシュ・ホーキンソンが最低でもグループフェーズのパフォーマンスを見せてくれるかにかかっていると言ってもいいかもしれない。

 日本のグループフェーズは、初戦のシリア戦を99-68で快勝し、第2戦はイランに70-78で惜敗、最終戦のグアム戦を102-63で制して2勝1敗。グループBの2位でファイナルフェーズ進出を決めた。

 一方のレバノンは、初戦でカタールに84-80で勝利した後、オーストラリアに80-93で敗れ、韓国にも86-97で敗戦。1勝2敗でグループAの3位となり、決勝トーナメントにコマを進めた。

 FIBA公式によると、両国の対戦成績は過去5試合で日本1勝4敗。2001年上海(中国)で日本73‑83、2003年ハルビン(中国)で63−76、2005年ドーハ(カタール)で59−77、2007年徳島(日本)で77−67、2011年武漢(中国)で78−80。日本は1勝4敗の状況を打破すべく戦いに挑む。

 グループフェーズの平均スタッツでは、日本は90.3得点リバウンド42.7本アシスト21.7本、2ポイント成功率58.5パーセント、3ポイント成功率38.9パーセント、フリースロー成功率82.7パーセントと全般に安定感がある。一方レバノンは83.3得点リバウンド40.3本アシスト20.0本、2ポイント成功率50.3パーセント、3Pポイント成功率29.0パーセントとやや見劣りするものの、平均8.7本のスティールで試合の流れを引き寄せる守備力が光る。特に日本のフリースローは大会トップクラスで、相手のファウルを得点につなげる展開が期待される。

 選手に目を向けると、富永啓生レバンガ北海道)は今大会、平均21.8分出場で20.0得点リバウンド4.3本アシスト1.0本をマーク。加えて、フィールドゴール成功率51.4パーセント、特に3ポイント成功率47.8パーセント、フリースロー成功率84.6パーセントというシュート精度を誇る。2023年のワールドカップを彷彿とさせる長距離砲を決めまくる富永だが、アウトサイドを軸にドライブでのリングアタックも見せており、ホットな状況になれば相手のディフェンス網を狂わせるはず。

ディフェンスを引きつける富永[写真]=fiba.basketball

 ジョシュ・ホーキンソンサンロッカーズ渋谷)の今大会スタッツは、平均17.7得点でチーム内上位、リバウンド12.7本で大会トップ、アシスト2.3本。リバウンドとインサイドでの支配力に加え、ピックアンドロールからのパスも見逃せない。また、ノーマークになれあすかさず放つ3ポイントシュートもホーキンソンの武器であり、その確率が高くなればマッチアップする選手の守備範囲が広くなり、ホーキンソンをはじめとする日本の攻撃の選択肢は広がるだろう。

攻守にわたり活躍を見せるホーキンソン[写真]=fiba.basketball

 対戦成績からすれば苦戦が予想される日本だが、富永、ホーキンソンをはじめ各選手の調子が上がっているのも事実。前回大会で準優勝を果たすなどレバノンは中東の強国だが、チーム一丸となって攻撃力を発揮し、準々決勝進出を目指したい。

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