2019.02.22

永田睦子さんがピックアップ! Wリーグプレーオフ・セミファイナルでカギを握る選手たち

フリーライター

Wリーグプレーオフは、セミクォーターファイナルとクォーターファイナルを終えて、2月23日よりセミファイナルが行われる。セミファイナルの対戦は、JX-ENEOSサンフラワーズvsデンソーアイリストヨタ自動車 アンテロープスvs三菱電機コアラーズとなった。 ここでは、セミクォーターファイナルとクォーターファイナルを『バスケットLIVE』で解説した永田睦子氏(アトランタ&アテネ・オリンピック日本代表、元シャンソン化粧品)が各チームの注目選手をピックアップ。WリーグのOGとして愛ある選手紹介と期待することを語ってくれた。

渡嘉敷には大黒柱としての働き、藤岡にはワッと驚くようなプレーを(JX-ENEOS)

JX-ENEOSの絶対的エースに君臨する渡嘉敷[写真]=田島早苗

◆渡嘉敷来夢(193センチ/CF/27歳)
 JX-ENEOSは今シーズン、宮澤夕貴が飛躍し、司令塔の吉田亜沙美もシックスマンとして活躍しています。その中でエースの渡嘉敷はすでに数字を残してはいるのですが、私個人としてはもっとできる!と感じています。エースとして、チームの顔として、セミファイナルでは大事な場面で結果を残してくれるのではないでしょうか。それは得点やリバウンドだけでなく、ルーズボールであれ、ディフェンスであれ何でも。何よりスターターの中では彼女が一番経験がありますから。

◆藤岡麻菜美(170センチ/G/25歳)
 今シーズン、先発ガードとして出場していますが、セミファイナルでは吉田亜沙美とはまた違う、藤岡の色を見たいですね。まだ少し周りに気を使っているのかなと感じますが、彼女の良いプレーは、ファンの方も含めみんな知っている。ワッと驚くようなプレーをする“ファンタジスタ”です。それこそ日本代表の試合では海外の実況の方が「Wow!」と言ってしまうような動きをすでに見せているわけですから、セミファイナルでもそういったプレーを披露してほしいです。

若手選手に安心感を与える髙田とゲームコントロールを担う稲井(デンソー)

“女王”撃破には髙田以外の選手がいかに活躍できるかがカギ[写真]=田島早苗

髙田真希(183センチ/C/29歳)
 得点力、リバウンド、そしてアシストにスティールと、あらゆる面でチームの中心ですが、セミファイナルではさらにチームに安心感を与えるようなプレーに期待です。なぜかというと、デンソーは若い選手が多く、クォーターファイナルを見ても、そういった選手たちがまだ不安な表情でプレーしているところが見受けられたからです。プレーオフ独特の緊張もあると思います。若手が思いきってプレーできる環境を作ってもらいたい。自分のやるべきことをやった上でですから、大変ではありますが彼女ならできると思います。

◆稲井桃子(166センチ/G/23歳)
 何といっても司令塔としてのゲームコントロール。セミファイナル以降は、エースの髙田に対してマークが厳しくなりますから、髙田だけでは勝てないですし、インサイド中心だけでは苦しくなります。デンソーは赤穂さくら&ひまわりの姉妹をはじめ、オフェンスの選択肢がたくさんあるチームですので、稲井にはガードとしてオフェンスを引っ張ってもらいたい。彼女のゲームメイクに託されると思います。

起爆剤となる存在の水島にリーダーの資質を持つ三好(トヨタ自動車)

3ポイントも得意としているキャプテンの三好[写真]=山口剛生

◆水島沙紀(171センチ/GF/27歳)
 シーズンの途中にはケガで離脱していた時期もありましたが、ここに来て調子も上がっているように感じますし、プレータイムも増えてきています。そう考えると、セミファイナルでは水島の働きが勝敗に大きく影響するのではないでしょうか。彼女の魅力は突破力。ドライブや3ポイントシュートからの得点は相手にとっても脅威になります。思いきったプレーをすることでチームにも勢いをもたらす選手ですので、まずは伸び伸び、いきいきとしたプレーをしてほしいです。

◆三好南穂(167センチ/G/25歳)
 トヨタ自動車はスター軍団ではありますが、ファイナルの経験、自分たちが絶対に勝ちたいと思っている試合での経験というのが豊富な選手はまだ少ない。ただ、誰だって経験が少ないところから始まるわけで、それを乗り越えていかないといけない。そう考えると、今のチームには強烈なキャプテンシーだったり、仲間を奮い立たせるような選手だったりが必要なのではないのでしょうか。その役割をキャプテンでもある三好には担ってほしいし、それができる選手だと思っています。

全員がキープレーヤー。代表して渡邉、根本、川井のガード陣に期待!(三菱電機)

三菱電機をけん引する渡邉のプレーは必見[写真]=田島早苗

◆渡邉亜弥(169センチ/GF/26歳)
 三菱電機は2人に絞れなかったため3人紹介します。まずは渡邉ですが、彼女は見ている人を驚かせるようなプレーができ、ボールを持つとワクワクさせられる選手です。ディフェンスでも本能というか、嗅覚のようなものでボールを取りに行く。彼女のプレーは、女子バスケットをあまり見ていない人でも惹かれると思いますので、攻防においてぜひ彼女の動きをチェックしてほしいです。

◆根本葉瑠乃(175センチ/F/25歳)
 根本といえば、代名詞であるシュート。ミドルシュートや3ポイントが持ち味です。試合ではまだおとなしい感じがするので、今以上に堂々と。シュートチャンスが来た時だけ打つのではなく、「ボールを私に持って来い」ぐらいの貪欲さを見たい。三菱電機は今、チームとして、もう一段階上に行けるところにいます。そのためにもセミファイナルでは積極的に。特に根本のシュートは相手に大きなダメージを与えますから。

川井麻衣(171センチ/G/22歳)
 クォーターファイナルを見ていても、勝負所で仕事ができるようになってきたと感じました。主力としての責任感が出てきたのかなと。クォーターファイナルでも大事な場面でシュートを決めましたが、そのプレーも行き当たりばったりのシュートではなく、しっかり1対1を仕掛けてからのシュートだったので、すごく成長したなと感じました。セミファイナルでも同様に、積極的に1対1を仕掛けることを続けてほしいですね。

取材・文=田島早苗