2023.08.16

埼玉出身のWリーガーたちが競演…4年ぶりの開催となった「SAITAMA BB DREAM CUP2023」

埼玉ゆかりの選手が大集合 [写真]=田島早苗
フリーライター

埼玉関連の選手が大集合! アンバサダー就任式も開催

 8月13日、「SAITAMA BB DREAM CUP2023」が川越運動公園総合体育館にて開催された。このイベントは、埼玉県内におけるバスケットボールの強化育成や普及発展を目的としているもので、今回は18、19日に予定されている「特別国民体育大会関東ブロック大会」(深谷ビッグタートル)に向けて、少年男女、成年男女の埼玉県チームがそれぞれ試合を行った。

 少年女子は石川県の少年女子チームと、そして少年男子はサンロッカーズ渋谷U18と対戦。女子は54ー87、男子も64-83といずれも敗れたが、国体の関東ブロック大会に向けて収穫の多い試合となった。

 その後、埼玉バスケットボールアンバサダーの就任式がコート上で行われ、アンバサダー第1号となる歌手の澤田知可子さん、そしてロックミュージシャンのダイアモンド☆ユカイさん、タレントの関根ささらさんに俳優でタレントの渡邉美穂さんが登場。それぞれがバスケットへの思いを語り、なかでも澤田さんとダイアモンドユカイさんは、ヒット曲の生歌を披露するなどイベントを盛り上げた。

イベントに花を添えた埼玉バスケットボールアンバサダー[写真]=田島早苗

 午後には、成年男子が大東文化大学と対戦(50ー70)。続いてアンバサダー4名が越谷アルファーズ松山駿とLJピークを相手にシューティング対決を行った。そして最後は、この日のメインイベントともいえる成年女子とWリーグ埼玉選抜との一戦を迎えた。

越谷の松山がシューティング対決に登場 [写真]=田島早苗


 この試合は10分ハーフの計20分と変則で行われたが、共栄大学、大東文化大学と埼玉県の大学生とともにチームを組んだWリーグ埼玉選抜が38―29で勝利。試合では渡邉美穂さんも加わり、さらには関根ささらさんも飛び入りで参加。2人ともシュートを沈めるなど笑顔のあふれる試合となった。

 もちろん、Wリーグの選手たちも随所に好プレーを披露。敗れはしたものの、Wリーグの選手たちからエールを受ける形で試合を行った成年女子チームも積極的な動きで対抗した。成年女子は、国体の関東ブロック大会では初戦で栃木県とと対戦。栃木は強豪・白鷗大学の単独チームとなるが、大学生と社会人とで構成された埼玉の指揮を執る楠田香穂里ヘッドコーチは、「混合のチームの良さを出せるようにしたいです」と、意気込みを語った。

 こうして、コロナ禍により4年ぶりとなったイベントは盛況の後に幕を閉じた。

Wリーグ埼玉選抜と熱戦を繰り広げた成年女子(写真は鶴見彩)[写真]=田島早苗

「私も埼玉出身です!」Wリーガーたちのコメントをピックアップ

 ここでは、イベントに参加したWリーガーたちの声をお届けする。

■渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)

「楽しかったです! 初めての参加でしたが、大学生やファンの方たちと触れ合うことができましたし、シーズン中とは違い、ファンサービスもたくさんできたので、少しでも子どもたちに夢や希望を与えることができたらいいなと思っています。

 埼玉の成年女子は、ベストを尽くしてほしいし、(昨シーズンまで日立ハイテククーガーズでプレーしていた)鶴見彩を筆頭に埼玉の力を見せつけて欲しいですね。個人的には、『埼玉といえばバスケ』となるように、先頭に立って埼玉のバスケットを盛り上げていきたいです。

(新シーズンに向けて)まずは15人全員で元気よくバスケットがしたいし、その中で一戦一戦戦いながら成長していければ。そうしたら結果を自ずとついてくると思っています」

宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)

「素敵なイベントに参加できて楽しかったですし、(会場となった)川越で今シーズンは公式戦もあるので、いろいろな人がイベントを通してバスケットのことを知ってもらうキッカケになったのではないかなと思います。来年も参加したいです。(イベントを行った)この体育館はミニバスのときによく試合をしていました。ミニバスのコーチなど関係者の方に会う機会にもなり、プレーする姿を見てもらうことができてすごくうれしかったです。

 ENEOSでは今シーズンからキャプテンになりました。皇后杯もWリーグも連覇という目標は変わりませんし、一人ひとりが自分の役割をしっかりやれば、いい結果になると思います。若い選手のエネルギーが必要になってくるので、個人的には藤本愛瑚や三田七南たちに期待しています」

■中田珠未(ENEOSサンフラワーズ)

「実は(さいたま市の)大宮で生まれました。普段の所属チームは違うけれど、同じ埼玉生まれとして他チームのみんなと一緒に試合ができ、小さなオールスターのようで楽しかったです。

 埼玉の成年女子チームには高校の同級生の二渡琴音さん(元新潟アルビレックスBBラビッツ/メディセオ埼玉ALC)がいました。ぜひ予選を勝ち上がって国民体育大会の本大会に出場してほしいです。私たちもWリーグの開幕が近づいているので、一緒に切磋琢磨していきたいですね。

 私自身は毎シーズン、やるべきことは変わらないと思っています。でも、チームから求められていることは少しずつ変わるので、そこに対応できるようにしっかり練習をして、チームに貢献できるようにしていきたいです」

■白崎みなみ(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)

「このようなイベントに呼んでいただきすごくうれしかったです。千葉県の高校でしたが、地元の越谷から通っていました。埼玉はミニバスケットが盛んなだけあって、基礎がしっかりしてる選手1番大事な部分をしっかりと育ててもらった選手がWリーグでも多いなという印象です。越谷に帰省する度にお土産で買っているのが、『越谷ふあり』というお煎餅。これはとても好評で、シャンソン化粧品のメンバーも大好きです。

 今シーズンは移籍1年目でWリーグでのプレーも2年目。どうしてもまだ経験不足なところがあり、またプレータイムをもらうためのチーム内の争いもあります。限られたプレータイムでどれだけ自分のパフォーマンスを発揮ができるか、今は得点力に加えてディフェンスでも期待されていると思うので、そこも含めて良いスタッツ残せるようにしたいです」

■佐坂樹(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)

「(出身の)山村学園高校は川越にあるので、前日には高校の練習を見てきました。ゆかりのある場所でこのようなイベントに参加できたことはうれしいですね。私は高校まで埼玉の学校でバスケットをしていましたが、個人的には埼玉はトランジションが速いチームが多いイメージがあります。また、川越は菓子屋横丁などが人気ですし、本当に何でもいろいろあるので観光でも良い場所だと思います。

 今シーズンのトヨタ紡織は、ヘッドコーチも変わり、いろいろなことが新しくなったので、そういったことにアジャストしながら自分自身もベストパフォーマンスを出せるようにしたいと思っています。しっかり準備をして上位のチームにも対等に戦えるように。ルーカス・モンデーロヘッドコーチのバスケットは、すごく頭を使いますが、楽しいです」

本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ)

「プレーはできなかったのですが、選手として埼玉に戻ってくることができ、すごく光栄に感じています。私は朝霞市で生まれ育ち、高校は東京でしたが家から通っていました。地元の友達は埼玉の高校に進んだ人も多く、学生時代は埼玉のチームと対戦すると、昔の仲間と戦える楽しさがありました。

 朝霞は、『彩夏祭』という花火大会やよさこい踊りなどが行われる大きなお祭りがあって、子供の頃はよく行ってました。東京にもすぐ出れるので、ほぼ東京だと思っています(笑)。それ言うと強がっていると言われるのですが…。

 今シーズンのヴィッキーズは、メンバーがガラッと変わりましたが、元からいるメンバーと移籍組とが少しずつマッチしてきているので、『ビッキーズ変わったな』というのを見て分かってもらえるようなチームにしていきたいです」

■濱西七海(山梨クィーンビーズ)

「中学時代から目の前の結果だけを追い求めてやっていて、特別にWリーグに対しての夢を持っていたわけではなかったのですが、徐々にバスケットが自分の人生の真ん中に来て、Wリーグの世界を目にするようになりました。そんな私が今、Wリーガーとして地元に戻ってきているというのはなかなか実感が沸きませんね。でも、実家の狭山市から今回の会場は近く、祖母の家も川越にあります。両親や(所属していた)ミニバスチームの子どもたちも見に来てくれて、すごくうれしかったです。

 山梨QBは、ヘッドコーチをはじめスタッフ陣も変わり、選手も若返ったので本当に新しい年。スタッフと選手全員とで次のステップに進むために挑戦の年にしたいです。私自身もキャプテンはバスケット人生で初めてなので、新しいチャレンジを楽しみたいです」

■三好青花(山梨クィーンビーズ)

「私は川口市出身で、中学校時代にジュニアオールスターの埼玉県チームに選んでいただきました。東京の高校に進学しましたが、通学時間は約20分ぐらいで家から通っていました。私自身、バスケットをするだけではなく、いろいろな方に笑顔や活力を与えることも目標としているので、そういった面でもこの場に呼んでいただき感謝しています。渡嘉敷さんや本橋さん、宮崎さんと日本代表として活躍されてる方たちのコミュニケーションや立ち振る舞いなどは学びたいと思っていました。

 山梨QBは新体制で迎えるシーズンですが、暴れるというか、クィーンビーズらしさを表現できたらと思っています。個人的にもアーリーエントリーで学ばせていただいたことを発揮する機会なので、自分のプレーを最大限、コートで表現したいです」

文・写真=田島早苗