Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』

「相手のヘッドコーチが、私に対して(ディフェンスを)変えてきてたので、私のことを『分かりきっているんだな』とは思いました」
オーストラリアのシドニーで行われている「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2022」の第2戦、日本はセルビアに64-69で敗れ、大会成績を1勝1敗とした。
試合は、序盤から追う展開に。点差を詰める場面はあったものの、セルビアに傾いた流れを引き戻すことができないまま苦しい時間が続いた。その中で、鋭いドライブから突破口を開こうとしたのがバックアップのポイントガードを担う宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)だ。
追いかける第4クォーターには3ポイントシュートや速攻などで奮起。一試合を通して20分33秒の出場で、11得点6アシストをマークした。
その宮崎が、試合後にセルビアのディフェンスについて発したのが冒頭のコメント。『相手のヘッドコーチ』とは、マリーナ・マルコヴィッチHCで、昨シーズンまで2シーズン、デンソーアイリスを率いていた指揮官でもある。
マルコヴィッチHCにとっては、全員がWリーグのチームに所属する女子日本代表のメンバーはよく知るところ。宮崎に対しても彼女の持ち味を封じるようなディフェンスの策を講じてきたというのだ。
だが、「それでも、後半には、そういった守り方をされても自分の持ち味が出せたと思うので、次の試合に切り替えてまた挑戦できたらいいなと思っています」と、宮崎はハッキリとした口調で言う。
もちろん、試合に敗れ、「もっとゲームコントロールすること。それと後半に積極的にドライブ行けるのだったら、前半にも、もっともっと攻めていくことができたらよかったなと私自身は反省しています」と、戦いを振り返りながら、自身の課題も受け止めている。
チームとしても、様々な敗因があった。その中で、宮崎は、ガード陣の動きについてこう語った。
「ガード陣がペイントアタックをできなかったです。大きい相手に対しても、積極的にペイントアタックすることで(ディフェンスが)寄ってシューター陣が開くのですが、(相手の)身長が大きい分、外を見ることができなかったり、(パスを)手に引っ掛けられてしまったりしたのは今後の課題だと思います。ガード陣が積極的にプッシュして、アウトサイドの選手たちに気持ちよくシュートを打てるようなパスを出していきたいです」
日本代表として昨夏の東京オリンピックやその後アジアカップなど、これまでも厳しい戦いが続く国際大会を経験し、場数を踏んできた宮崎。一つの敗戦を引きずることなく、「(セルビア戦は)自分たちがやりたいバスケットを相手にやられてしまったのですが、そういう試合展開は必ず(これからも)あるので、そこで自分たちでアジャストしていけるようにしたいです」という言葉には力がこもっていた。
「(ディフェンスでは)コミュニケーションミスが何回もあったのですが、そこをちゃんと改善すれば問題はないのかなと思っています。次の試合も頑張ります!」
その目は、しっかりと前を向いていた。
取材・文=田島早苗