2024.01.12

恩塚HC「走りきるシューター軍団に」パリ五輪切符奪取へバスケ女子日本代表が始動

女子日本代表の恩塚亨ヘッドコーチ[写真]=兼子愼一郎
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 1月11日、「FIBA女子オリンピック世界最終予選(OQT)」を控えるバスケットボール女子日本代表(FIBAランキング9位)の第5次強化合宿が公開され、恩塚亨ヘッドコーチが「走りきるシューター軍団になっていく」とチームコンセプトを明かした。

 女子日本代表は昨年「FIBA 女子アジアカップ2023」と「第19回アジア競技大会(2022/杭州)」で準優勝。日本代表が照準を合わせていた2月8日から始まるOQTでは、4チーム総当りで上位3チームにパリ2024オリンピック出場権が与えられるが、日本はスペイン(4位)、ハンガリー(19位)、カナダ(5位)と同組に。下位のハンガリーにも開催地の利があることを考えれば、東京2020オリンピックで銀メダルを獲得した日本にとって厳しい戦いとなることが予想される。

 恩塚HCは「まずチームの選手選考のコンセプトとして、“走りきるシューター軍団”になっていく。そのことが日本の強みを最大限に発揮して、競争の優位性を発揮できるポイントと考えて選手を招集していますし、選手にもそのことを伝えています」と、今回の強化合宿のメンバー選考も含めた狙いを明かした。

 今回の候補選手選考については、昨シーズンWリーグMVPの渡嘉敷来夢、東京2020オリンピック準優勝メンバーの長岡萌映子(ともにENEOSサンフラワーズ)、宮澤夕貴(富士通レッドウェーブ)らサイズのある選手が外れた一方で、2度目の現役復帰を果たした吉田亜沙美(アイシンウィングス)、ウインターカップで3ポイントの大会新記録を樹立した絈野夏海(岐阜女子高校3年)、“人生の夏休み”明けの馬瓜エブリン、若手有望株の木村亜美(ともにデンソーアイリス)の4名を恩塚体制で初招集した。

 恩塚HCは、特にサプライズ選出だった最年長・36歳の吉田については豊富な経験と高いパス能力、最年少・18歳の絈野については「プルアップとステップアップで3ポイントを打てるのは特別な技術」と語り、いずれもコート内での能力を高く評価した上で招集したことを説明。

 インサイド陣がやや手薄な印象もあるが、「基本的にアジア大会と同じ、私たちの強みで勝負するイメージです」といい、体格差がある相手に対するディフェンスは「フルコートでしかける、トラップ、あるいは5人でリバウンドに入ることでカバーしていけると思っています。実際にリバウンドのデータなんかを見返した時に、データとしては悪くないんです。3割取られてないくらいまで抑えられている。むしろ私たちの最重要課題は、ペイントエリアのフィニッシュの確率だけじゃなく、その選択、サポートが著しくゲームの敗因になっているんじゃないかという分析。そちらを改善していくことで勝利につなげていきたいなと考えています。(日本の強みを出すこと)そこに振りきっています」と、あらためてチームコンセプトを強調した。

 先日発表された代表候補選手名簿20名の中では、町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)が別メニュー調整で、海外リーグでプレーする馬瓜ステファニーとオコエ桃仁花が不在。11日夜には、オコエが日程の都合から選外になったことをSNSで明かすなど、一筋縄ではいかないチームづくりの難しさもある。

 恩塚HCが何度も口にした“日本の強み”とは、「チームプレーにコミットできる選手たちが素早く動けて、シュート力があって、戦い抜ける」選手のキャラクター。これらを備えた中心メンバーを1月下旬までに固め、さらなるチームの成熟を図る。

OQT試合日程@ハンガリー
2月8日(木)24時30分 日本vsスペイン
2月9日(金)26時00分 日本vsハンガリー
2月11日(日)23時00分 日本vsカナダ

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