2024.01.12
1月11日、「FIBA女子オリンピック世界最終予選(OQT)」を控えるバスケットボール女子日本代表の第5次強化合宿が公開され、高校生で唯一招集された絈野夏海(岐阜女子高校3年)が、メディアの取材に応じた。
絈野は昨年末に行われた冬の高校日本一を決めるウインターカップで、歴代最多27本の3ポイントシュートを決め大会新記録を樹立。高校年代最強のシューターとして、今回の合宿参加メンバーにサプライズ選出された。
ウインターカップ決勝後に“日本代表入り”への思いも口にしていたが、実際に合宿へ参加し「正直信じられない気持ちと、うれしい気持ち」とコメント。「こんなに早くチャンスが来るなんて正直思っていなかったので。こういうチャンスを大切にして、これから自分が日本を背負っていけるように、一つの経験としてまずしっかりやっていけたらなと思っています」と、率直な思いを明かした。
同じシューターとして「尊敬している」というキャプテン・林咲希(富士通レッドウェーブ)のプレーから刺激を受けつつ、実際に代表候補選手たちと対峙する中でトップレベルならではの壁も体感しているという。
「フリーをつくっていただいたら自分のシュートを打てて決めきることができるんですけど、このレベルになるとピックアンドロールを簡単に使わせてもらえない。プレッシャーも強いですし、ディフェンスの強度が高校とは違うので、そういうところが攻め辛いなと、ちょっと悩んでいます」
「まだ全ての面において足りていないと思います。今回の合宿に高校生で唯一選んでいただいたので、この環境に感謝しながら、自分に取り入れられることは取り入れて、自分が世界と戦うためにどのようなことをすればいいのか、しっかりと考えていきたいです」
日本代表を指揮する恩塚亨ヘッドコーチは、「走りきるシューター軍団」を今回のチームコンセプトに掲げており、11月末の皇后杯・ENEOS戦後に長距離砲を武器とする絈野が代表候補リストに浮上したという。ただ、指揮官は「OQTという大事な大会ですから、3ポイントシュートが上手いだけなら、私はまだ早いかなと思って声をかけていないと思います」と語り、絈野が持つ“特殊能力”を次のように説明した。
「彼女が特別なのは、プルアップで3ポイントが打てる女子選手が少ない中、プルアップで打てる。さらにステップバックで3ポイントを打てるんです。それが特別な技術であり、特別な能力だと思っているので、試してみたいな、トライしてほしいなという思いで招集しました」
「絈野選手の素晴らしいところは、シューターでありながらピックアンドロールのハンドラーにもなれる。私たちのコンセプトとして、ポイントガードはクリエートできる、シューティングガードは3ポイントもあり、ピックアンドロールでクリエートできるというのが大きな要素。そういう意味で彼女は貴重な存在かなと思っています。言い方を広げると、日本のバスケットが世界で勝っていくためには、シュート力と一対一で切り抜けるかピックアンドロールを使えるか、この2つは必要不可欠な資質だと考えている。彼女はそれを持っていると評価しています」
2月8日から始まるOQT3連戦へ向けて、「1月下旬より前に一旦核となるメンバーを決める」と恩塚HC。新たなステージで挑戦している有望株にとっては刺激的な日々が続きそうだ。
2024.01.12
2024.01.12
2024.01.12
2024.01.12
2024.01.06
2023.12.12