2025.09.04

Bリーグの故障減少、メンタルケア窓口開設…島田チェアマンが傾向と対策を報告

『島田のマイク』第252回が配信
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 9月4日、Bリーグ島田慎二チェアマンのポッドキャスト番組『島田のマイク』第252回が配信。『りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 SEASON』における外傷・障害調査をまとめたインジュアリーレポートの内容や、各クラブを支援するためのメンタルヘルスケア相談窓口の開設について語った。

『りそなグループ B.LEAGUE 2024-25 SEASON Injury Report』によると、昨シーズンは外傷・障害総数482件と、2022-23シーズン(513件)・2023-24シーズン(499件)から2シーズン連続で減少し、特にB1では大幅な改善が見られた。島田チェアマンは「(データ分析を継続することで)傾向と対策がある程度見えてくる」と説明し、具体例として外国籍選手のシーズン序盤の怪我多発問題と対応策を挙げた。

「(お盆頃に来日して練習をする場合が多いが)まだ完全にコンディションがアップする前にシーズンインすることもあるので、その1カ月〜1カ月半ぐらいのトレーニングの在り方をどうするかとか、少し来日を早めるとか。あと契約をするのは4月〜5月頃なので日本に来る前の段階でトレーニングをして、このレベルまでのコンディションは作っておいてほしいと契約で結ぶとか。そうすることで改善できるという仮説が立つじゃないですか。そういうBリーグが得られたデータを全クラブのGM(ゼネラルマネージャー)だったりに情報共有しているんですよ」

 一方、B2では怪我の増加傾向が見られることについて「当然B1よりは経営母体として弱いから、トレーナーの人数やバックアップ体制とかが弱い可能性はありますよね」と課題を指摘。以前はチーム強化において優れた選手や監督、GMのマネジメント力に重きが置かれていたが、Bリーグが成長するにつれて求められるチーム体制は変化してきているという。島田チェアマンは「どんなにいい選手がいたって、怪我して離脱したら(勝つのは)厳しいじゃないですか」として、医療体制やサポートスタッフの重要性を強調した。

 また、クラブ全体のパフォーマンスを最大化するため、身体のケアだけにとどまらず精神面のケアにも着目し、Bリーグが取り入れた施策がメンタルヘルスケア相談窓口だ。選手やスタッフが心の不調を訴えた場合に、全クラブ統一して安定した対応とトラブルへの早期介入を可能とするため設置された。啓発活動に加え、定期チェックを年2回以上行っていくという。

 2024-25シーズンから定期チェックは行われており「選手に比べると、どちらかというと、スタッフの方がメンタル不調のリスクがある」という傾向が明らかになったと島田チェアマンは述べた。

 選手のケアを第一にするスタッフは業務が深夜に及ぶ場合も少なくなく、また試合遠征時の準備や後片付けなどによる不規則な生活、さらに成果を求められるプレッシャーにもさらされるが、相談先がない場合もある。そのような環境の改善のためにも国際医療福祉大教授の臨床心理士の橋本和明氏と連携し、各クラブに所属する誰もが相談できる体制として相談窓口を整備した。島田チェアマンは「引き続きコンディショニングがいい状況を保てるようなフォローはしていきたい」と、継続的なアップデートを重ねる姿勢を示した。

 今回のエピソードでは、八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)が日本バスケットボール協会(JBA)へ提言した内容と日本代表強化を図るなかでの課題や、10月8日から開催される『東アジアスーパーリーグ(EASL)2025-26シーズン』に日本から宇都宮ブレックス琉球ゴールデンキングスアルバルク東京の3チームが出場することなどについても語られた。

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