2025.10.03
10月2日、Bリーグチェアマンであり、日本バスケットボール協会(JBA)会長の島田慎二氏のポッドキャスト番組『島田のマイク』第256回が配信。JBA会長就任が発表された直後の収録となった今回は、Bリーグとの兼務への意気込みと、開幕10周年を迎える『りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 SEASON』の見どころについて語った。
JBA会長就任会見で島田氏は、「基本的にはクラブの立場だとしても、リーグの立場だとしても、そして今回、協会の会長という立場でも一貫して変わらないことは、バスケットボール業界の発展と成長にどういうアクションを取るのが良いのかというところ」と前置きし、どの立場でも日本のバスケ業界のために何ができるかという観点でやってきたという。「そういう意味では、急に何か考え方が変わるわけではなく、それをそのまま地でやっていこうかなと思っています」と、一貫した理念を表明した。
今回の就任にあたり、島田氏が掲げたのが『ONE Basketball(ワンバスケットボール)』というコンセプトだ。JBAは統括団体として各カテゴリーを傘下に持つものの、それぞれの価値を最大化するための連携が不十分という課題がある。人材、資金、リーグ間の関係性、アマチュアとプロの壁など、様々な障壁を解決するには投資と人的資源の投下が必要不可欠だと述べた。
実は島田氏はJBA会長候補者となった6月から水面下で営業活動を続け、ある一定の財源確保の目処が立ったという。短期的な試みとしてはロサンゼルス2028オリンピックに向けた代表強化に加え長期的な試みという2軸に、2年間で場合によっては数十億円規模の財源を投資していく計画を明かした。さらにホールディングス機能としてグループ全体の価値向上にも財源を振り向けるという。
「(JBA会長として)今後のバスケ界の未来を描くことを考えるのであれば、そこに必要な資金があるのならば、土下座をしてでも稼いできて“その資金を用意したのでやろうじゃないか”と、みんなに言わないと、お金はないけどこういうのをやりたいよねと言っても意味がないですよね」
島田氏が強調したのは、既存の予算を削るのではなく、新たに獲得した収入を財源として明確化した上で改革を実行するという姿勢だ。理想論ではなく実行可能な改革への道筋を示し、有言実行の姿勢を貫く決意を示した。また兼務だからこそ実現できることとして、Bリーグとの密な連携を挙げた。
また、島田氏は『りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 SEASON』の見どころについても語った。
1つ目の見どころとしてはTOYOTA ARENA TOKYO(トヨタアリーナ東京)とIGアリーナという2つの大型アリーナの本格稼働だ。どちらも最新設備を備えており、すでにトヨタアリーナ東京で行われるアルバルク東京vs宇都宮ブレックスは約1万席のチケット完売。IGアリーナで行われる名古屋ダイヤモンドドルフィンズvsレバンガ北海道も約1万5000席の大半が売れており、オープニングゲームの盛り上がりに期待を隠せない様子だ。
2つ目の見どころは、元NBAプレーヤーの大量加入だ。北海道のジャリル・オカファー、仙台89ERSのジャレット・カルバー、千葉ジェッツのナシール・リトル、A東京のブランドン・デイヴィスなど、現在もなお相当な実力を持つ選手たちがBリーグに参戦する。より一層力のある選手たちがBリーグに来るようになった背景について、島田氏は外国籍選手同士の情報交換があると分析した。
「(エージェントから話を聞いていたとしても)結局本当の声は、そこでプレーしている選手たちから発される声じゃないですか。選手同士でのやり取りで、日本の環境やBリーグの盛り上がりとか色々聞かされて、“じゃあ俺も”という人がどんどん増えているからこその現象なんですよね」
最後に、今シーズンへの期待を問われた島田氏は「B.革新に向かう10年目のシーズン」という節目を強調。新アリーナの完成やクラブの努力により新規ファンの獲得に期待を寄せつつ、11月下旬から始まる『FIBAバスケットボールワールドカップ2027』アジア地区予選も踏まえ、代表強化につながる選手全体の成長が重要な年であると説いた。
「やっぱりロスを目指すぞ!と言った時に、もうBリーグの選手の成長とか、新たなスターが誕生するぐらいの状況が必要不可欠だと思うので。まさにこのシーズンが、カタールのワールドカップ(本戦への出場)、そしてロスへのスタートなので、そういう選手の成長とニューヒーローが生まれるようなシーズンを期待したいなと思っています」
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