2025.09.27

田臥&大神を理事に抜擢した意図は…JBA島田会長が伊藤委員長“クラブGM兼務”の懸念にも言及

(左から)田臥、島田会長、伊藤委員長、大神HC[写真]=B.LEAGUE , Getty Images
バスケ情報専門サイト

 9月27日、日本バスケットボール協会(JBA)は記者会見を開き、新会長に島田慎二氏が就任したことを正式に発表。また、代表強化などを統括する日本バスケットボール強化委員会委員長には、長崎ヴェルカでGMを務める伊藤拓摩氏が就任し、新任理事として男子バスケットボール界のレジェンドである田臥勇太宇都宮ブレックス)と、女子バスケ界を長年牽引してきた大神雄子氏(トヨタ自動車アンテロープスHC)が加わることも併せて発表された。

 会見でメディアの取材に応じた島田会長は、B1クラブで社長兼GMを務める伊藤氏が強化委員会委員長(旧技術委員長)を兼任することについて、「専任でどなたかを探していくよりも、兼務であっても伊藤さんの能力が最も優れているという判断をJBAがしたと言うこと」と説明。国内外でのコーチング経験や、クラブのフロントで働いてきた伊藤氏の経歴についても言及し、「リクルートのこととか、選手の懐に入ることとか、バスケットの知識だとか、コーチ、GM、あらゆる経験を多面的にやっているので、そこまで現場感覚と経営感覚をもってジャッジメントできる人はなかなかいないんじゃないか」と、その多彩な経験と知見が日本代表の強化に役立つとの見解を述べた。

 一方で一クラブの社長兼GMである伊藤氏がJBAの強化委員会委員長を“兼任”することで、情報の取扱いなどにおいて他クラブと差が生じる懸念もあるが、「そこは守秘義務の契約であるとかは当然やっていきます」と島田会長。それ以上に「能力がある方なので、“二刀流はどうだから(強化委員会委員長に)なれない”ということにする方がバスケット界において機会損失なのではないか」と続け、長崎ヴェルカ側とも話し合ったうえで合意したと説明。「皆さんの懸念は重々承知しているので、それ以上の価値を出してくれると信じています」と期待を寄せた。

 田臥と大神HCの理事就任については、島田会長の一存で決まったものではないと前置きしつつ、「昨日Bリーグの理事に岡田(優介)元選手が来ていただいたこともそうなんですけど、やはり競技に精通している方たちを入れていかないとだめだとすごく思っていました。代表に対しても色々な助言を頂いたりするうえで、誰がいいんだろうと議論をしていく中では、田臥さんと大神さんが相応しいということで、ほぼ満場一致で決まり、御本人にも快諾いただいたという状況です」と、その経緯を明かした。「かなり代表の強化、競技強化、普及育成の方に資金投下をしていくことを考えている中で、やはりそこに理事会の意思決定の場で、ど真ん中でやってらっしゃる方がいることはマストだなと思っていたので、そこにおいて忌憚のない現場の声を届けてもらえたらなと思っています」と、2人への期待も口にした。

 島田会長は『ロサンゼルス2028オリンピック』を目標とする各代表チームが「日本最強メンバーで臨むべき」と力強く語り、JBAが一体となってチームをサポートしていく姿勢をあらためて強調した。

田臥 勇太の関連記事

長崎ヴェルカの関連記事

日本の関連記事