2025.10.01

【B1クラブ展望/長崎】「ポジションレスの追求で躍進…クラブ初のCS進出目指す」

ホームでオールスター開催もあり躍進が期待される長崎 [写真]=B.LEAGUE

 ハピネスアリーナへの移転初年度はホーム全試合チケット完売を達成した一方、チームの成績は一昨シーズンから1勝減らした長崎ヴェルカ。ただ、今はモーディ・マオールヘッドコーチが標榜するスタイルへの変化の過程であり、それを今シーズンは昇華させる年だ。

 従来からの特徴であったポジションレスのバスケットを、今シーズンはさらに強調するロスターとなった。スタンリー・ジョンソンとアジア特別枠のイ・ヒョンジュンはいずれもウィングプレーヤー。3シーズン目となるジャレル・ブラントリーと併せ、高さよりも機動力を重視した構成だ。貴重なセンターであるアキル・ミッチェルには、昨シーズンの弱点だったリバウンド強化の使命が課せられる。

 4人の新戦力を迎えた日本人選手は、ポジション争いが熾烈だ。シュート力が武器の狩俣昌也に対し、新加入の熊谷航は突破力が持ち味の司令塔。馬場雄大という絶対的存在と、オールラウンダーの山口颯斗がいるウィングには、ディフェンダーの星川堅信が加わった。もちろん、ミスターヴェルカこと松本健児リオンの存在も欠かせず、外国籍選手のプレースタイルを考えると、川真田紘也の存在価値も貴重。多彩なラインアップでそれぞれの強みを追求したい。

 創設当初から注目を集め、最速B1昇格を成し遂げたクラブとしては、3シーズン目となるB1でそろそろ大きなインパクトを残したいところ。オールスターも開催される今シーズンは、地域のバスケ熱をより強く感じながら、クラブ初のチャンピオンシップ進出へ前進したい。

■KEY PLAYER/SF #14 スタンリー・ジョンソン

NBA時代はハードなディフェンダーとしても知られていたジョンソン(右)[写真]=Getty Images

 NBAドラフト1巡目8位指名を受け、通算449試合出場。これまで日本でプレーした外国籍選手の中でも、指折りの実績の持ち主だ。フィジカル面も含めた身体能力としなやかな身のこなしが攻守に活かされ、NBAではエーススコアラーを徹底マークするディフェンダーとしての評価が特に高かった。もちろん、長崎では得点源の一角となることも期待され、オフェンスの起点としてチームを引っ張るだろう。バスケットと向き合う姿勢も素晴らしく、長崎の飛躍に欠かせない存在となるはずだ。

文=吉川哲彦

スタンリー・ジョンソンの関連記事

長崎ヴェルカの関連記事

Bリーグの関連記事

BASKETBALLKING VIDEO