2025.11.23
激動のオフシーズンだった。昨シーズン終了後、ケリー・ブラックシアー・ジュニア、河田チリジ、武内理貴が新天地へ移籍。さらに、6月中旬には中村拓人が複数年契約を解除して電撃退団し、広島に衝撃が走った。
その一方で、豊富な経験でチームを引っ張れる晴山ケビンや伊藤達哉、屈強な肉体を誇るコフィ・コーバーンを獲得。8月にはメイヨニックの帰化が認められ、空いた外国籍選手枠には抜群の得点力を持つクリストファー・スミスが加わった。
だが、ロスターが整ってきた矢先に、昨シーズン負傷から復帰した寺嶋良が右膝の再手術で離脱し、2年目の渡部琉は左肩の手術でインジュアリーリスト入り。他にも負傷者が続出し、岡崎修司ゼネラルマネージャーも「チームの半分以上が怪我している見たことない状況だった」と頭を抱えるほど。
それでも、9月には大学バスケ界屈指のポイントガードである佐藤涼成が白鷗大学を中途退学して電撃加入し、インカレ優勝経験を持つ練習生の松村竜吾とも契約締結。最終的にはリバウンド、ディフェンス、3ポイントシュートといった課題対策や武器となる要点を押さえ、既存メンバーとの融合が楽しみな補強となった。
「オフシーズンはずっと人探しをしているような感覚だった」と激動の中を奔走した岡崎GMは、「目指すところは毎年一緒で、今シーズンもしっかり積み上げていきたいという思いが強いです」と説明。その積み上げの先に見据えるのは「文化を作ること」。選手が入れ替わっても「安定して自分たちのバスケットを体現できるクラブを目指していきたい」と強調する。
朝山正悟ヘッドコーチ就任2年目の今シーズンはロスターが変わり、昨シーズン同様に怪我人の多さにも悩まされ、チームの仕上がりはまだこれから。ただ、「もっと個々がむき出しになって意見を言い合えるように引っ張っていきたい」と言う晴山を中心にチームが活性化しているのは間違いない。
岡崎GMは、「難しいスタートですが、それすらも乗り越えられると思いますし、その先に次のステージが見えてくるので、まずは目の前のことに向き合って戦っていきたいです」と力を込める。“屈しない魂”が込められた「HIROSHIMA PRIDE」を表現できる選手は揃った。あとはチームとして地道に積み上げながら再び頂点へと歩んでいく。

インサイドでの活躍が期待されるコフィ・コーバーン[写真]=B.LEAGUE
岡崎GMは、「チームの大黒柱になる働きができる選手。チームの課題だったゴール下のリバウンドや得点で新たな脅威を作り出せる」と評価。プレシーズンマッチでも存在感を発揮し、朝山HCも「ゴール下での粘り強さは昨シーズンまで自分たちになかったのでしっかり武器にしたい」と期待を膨らませる。
ジャマイカ出身の26歳は、「若いけどリーダーシップを持ってみんなを助けたい。勝ちにつながることをすべてやる」とやる気満々。迫力あるプレーはもちろんだが、その大きな体いっぱいに愛嬌を詰め込んだような陽気なキャラクターでも広島を盛り上げる。
文=湊昂大
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