2025.08.05
広島ドラゴンフライズは25日、練習場のドラフラベースで2025−26シーズンの新加入選手の合同入団会見を実施。岡崎修司ゼネラルマネージャー(GM)と伊藤達哉、晴山ケビン、クリストファー・スミス、コフィ・コーバーンの4選手が出席した。
30歳の伊藤は173センチ72キロのポイントガードで琉球ゴールデンキングスから加入。6月に広島を電撃退団した中村拓人の抜けた穴を埋める形で急きょ移籍となり、幼少期を過ごした地に戻ってきた。「最初は葛藤がありました」と明かしつつ経緯を語った。
「岡崎GMや朝山さん(朝山正悟ヘッドコーチ)からスタッツに出ない部分や広島に足りない部分を話していただき、自分がこれから先さらに成長するために最適な環境だと思いました。広島は僕が育った場所でもあるので、そういった場所に恩返ししたいという気持ちで入団を決断しました」(伊藤)
島根スサノオマジックから加入した32歳の晴山は191センチ90キロのスモールフォワード。「僕の1番の武器は3ポイント。個人としては3ポイント(成功率)を40パーセント以上は残したいです。昨シーズンは広島がリバウンドですごく苦戦したので、そこで少しでも還元できるように頑張りたいです」と話した。
アメリカ出身で31歳のスミスは、193センチ95キロのシューティングガード兼スモールフォワードで千葉ジェッツから移籍した。「ヘッドコーチとお話させてもらって、本当にいい環境でいいチームだと感じましたし、もともとファンの良さも知っていました。2年前に優勝を経験をしているチームに加わりたいという思いで入団に至りました」と説明し、「3ポイントシュートと得点能力、そして求められたことを全力で遂行していくところを見せたいです」と意気込んだ。
コーバーンはジャマイカ出身の25歳で、211センチ140キロのセンター。韓国のソウルサムスンサンダーズから加入し、当時B1の新潟アルビレックスBBでプレーした2022-23シーズン以来の日本復帰となった。「Bリーグの中でトップレベルのチームに来られる機会を逃したくなかったので、またBリーグに戻れてうれしいですし、日本の文化や人が好きなことも戻ってきた要因です」と移籍理由を明かした。
新シーズンのピースがそろった。広島の大きな課題の1つであるリバウンドの対策には、屈強な体格を誇るコーバーンを補強。広島ではこれまでアウトサイドもできるセンターが多かったため、岡崎GMは「今までになかったタイプのセンターで、チームの芯となる働きができる選手だと思います」と評し、「今まで弱かったゴール下の部分で、リバウンドや得点で相手にとって新たな脅威を作り出せると思っています」と説明した。
コーバーン本人も、「チームにエナジーをもたらすところが一番の強みだと思っていますし、若いけどリーダーシップを持ってみんなを助ける役割をしたいです。プレー面ではペイントを支配できるのが強みなので、ディフェンスやリバウンド、勝ちにつながることを全てやりたいです」と力強く語った。会見後の練習ではコミュニケーションや笑顔も多く、日本人ビッグマンの市川真人とゴール下で激しく競り合うなど、パワフルなプレーでチームに活気をもたらしている。
昨シーズンはチームに若手が多く、EASL参戦による過密日程の影響もあり、激しい調子の波が課題の1つだった。伊藤も昨シーズンの広島の戦いを外から見て、「いい選手ばかりそろっているけど、なんで勝てないんだろうと思っていて、強い時は強いけど、何か抜けていると感じることもありました」と指摘。「そこを僕が入ってしっかりまとめてコントロールしていきたいです」と力を込め、「言葉で言うのは簡単ですけど、まずは背中で引っ張れるように頑張りたいです」とプレーで示していく。
「エナジー溢れるプレーを見ていただきたいですし、プロの世界ですので結果はもちろん求められるものですけど、その中でも見ている人を楽しませる、また見に行きたいなと思わせられるようなプレーをしていきたいです」(伊藤)
さらに、経験豊富なスミスがチームに闘志を注入する。「いろんな環境を経験してきた中でのメンタリティ、負けた試合では絶対に満足しないのはもちろんですし、タフな環境でやってきた自信もあるので、そこの精神力を全員にシェアしていきたいです」と心強い言葉を口にし、「(広島とは)本当にいつも難しい試合ばかりで簡単ではなかったですし、いつもチームが諦めない雰囲気をすごく出していたので、そこの一員になれることがすごくうれしいです」とコメント。「屈しない魂」が込められたチームスローガン「HIROSHIMA PRIDE」を体現していく。
岡崎GMも、「千葉と試合をした時に散々やられていた選手なので、仲間になってすごく頼もしく思っています。得意の3ポイントシュートから得点を量産することも期待していますし、闘争心がすごく強い選手なので、チームに必要な攻守で闘うところで必ず貢献してくれると思います」と信頼を置いている。
リーダーシップを取れる選手が増えたが、上を目指すには今季も若手の成長による底上げは欠かせない。山崎稜と同じく日本人最年長の晴山が持ち前の明るさでチームを引っ張っていく。岡崎GMは、「若い選手が多い中で経験を還元してほしいですし、今までのチームになかったようなキャラクターで、練習でも雰囲気をすごく上げてくれます」とコート内外での活躍に期待を寄せる。
晴山本人も練習中にチームメイトと積極的にコミュニケーションを取っているのはもちろんのこと、コーチの練習メニューの説明後に細かい部分を補足するような確認の声を上げる姿も目立った。そうした声かけもチームの密度を上げていくはずだ。
「練習前はみんなすごく笑顔で話しているけど、始まった途端みんな暗いお通夜みたいな感じの雰囲気になるので、そこで僕がみんなにエナジーを与えて、言いたいことを言い合えるチームを目指していきたいです」と冗談混じりで話し、「もう少し個々がむき出しになってきてもいいと思うので、もっと自分がタツヤと一緒に引っ張っていけたら、若手たちもついてきて自分の意見を言ってくれると思っています」とチームの活性化を担う。
それぞれが実力とエナジーを持った選手たちの補強が実現した。岡崎GMは、「毎年この時期に思いますが、ベストは尽くしたと思いますし、素晴らしい選手たちが集まってくれたと思っています」と手応えを口にしたが、チーム作りは始まったばかり。「それぞれの選手にタレント力があると思うので、あとはそれをうまく噛み合わせること。この夏とシーズンが始まってからの成長に期待しています」と話した。
新シーズン開幕まで約1カ月半。日々積み重ねた先にある頂点に向けて前進するだけだ。伊藤は、「しっかりコミュニケーションをとって、チームのいいケミストリーやいいカルチャーを築けられるように、この夏しっかりチームとして頑張っていきます」と意気込み、「最後に優勝するために間違いなくブースターのみなさんの声援が必要なので、最後まで僕たちと戦ってください」と共闘を呼びかけた。
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