8月16日、日本バスケットボール界初の試み、『BASKETBALL ACTION 2020 SHOWCASE』が開催される。新型コロナウイルス禍の中、「オールジャパンで乗り切ろう」と日本バスケットボール協会の三屋裕子会長がリードするイベントだ。今回、それに出場する車いすバスケットボール男子日本代表候補の豊島英（宮城MAX）に参加する意義、意気込みを聞いた。

――このイベントに参加するにあたっての意気込みを聞かせてください。
豊島　今回の『BASKETBALL ACTION 2020』や『BASKETBALL ACTION 2020 SHOWCASE』に車いすバスケットボールを加えてもらったことは新しい時代の幕開けになったのかなと思います。16日の『BASKETBALL ACTION 2020 SHOWCASE』では、車いすバスケットボールは人数がそろわずゲーム形式でご覧いただけないのですが、デモンストレーションという形で参加することになります。ファンの皆さんは画面越しでの観戦となりますが、活動を止めずに歩み続けている僕たちを見ていただければと思いますので、当日は小人数はありますが楽しんでいただければと思います。

――昨年はケガで悩まされていましたが、コンディションは何パーセント戻っていますか？　またパラリンピックの延期は自分にとってはプラスに働いていますか？
豊島　去年はケガがありましたが、コンディションについては12月のパラリンピックの予選ではケガの影響もなくプレーすることができましたので、順調に回復しているところです。また延期については、男子代表のチーム体制が昨年末に変わりました。チーム方針であったり、プレースタイルは全く変わっていませんが、新しく1年間チームを作る時間ができたことはチームとしても私としてもプラスに取り組んでいるところです。

――今回のイベントで初めて車いすバスケットボールを見る方もいると思います。そのような皆さんに車いすバスケットボールならではのテクニックであったり、ここを見てほしいというものがあったら教えてください。
豊島　初めて見ていただける方には僕たちが普段どういう練習をして、どうやって試合をしているのかを想像できないと思いますが、今回のイベントでは2メンだったり3メンだったり通常のバスケットボールで練習することもやりますし、3ポイントシュートも打ちます。また、「ティルティングシュート」と言って車いすの片輪を上げて斜めになった状態で高さを出すシュートもお見せできればと思います。車いすバスケットボールのすべてを見ていただけないのですが、特徴のある動きはご覧いただけると思いますので、楽しみにしていただければとありがたいです。

――『BASKETBALL ACTION 2020 SHOWCASE』の開催が決まった時の気持ちを教えてください。
豊島　初めて聞いた時は開催できるのかがちょっと不安でしたが、車いすバスケットボールの男子代表候補は7月、8月と強化合宿は行っているので、イベントが開催されれば参加してくれる選手はいるなと思っていました。自分はそれに向けて取り組んでいました。開催にあたり、知恵を振り絞って、開催にご尽力をされている方がいるとうかがっています。僕たちはプレーで少しでも答えられればと思っています。車いすバスケットボールは年内の試合が中止になっているので、少しでもファンの皆さんに披露できる場を与えていただいたことをありがたく思っています。

――5人制や3人制の選手で気になる選手はいますか？
豊島　やっぱり自分と同じポイントガードをしている篠山（竜青）選手や富樫（勇樹）選手のプレーは見たいですね。

――篠山選手と富樫選手ではプレースタイルが違いますが、豊島選手はどちらのタイプとなりますか？
豊島　ディフェンスを頑張るので篠山選手タイプですね

――2020－21シーズンはバスケットボールを通じて、どのように盛り上げていこうと考えていますか？
豊島　日本の車いすバスケットボールはリーグがないので、例年天皇杯のような大会を中心に行われていますが、それらが中止になっているので、実際誰かの前でプレーをして観戦していただくことは難しいかもしれません。僕としては代表活動であったり地元のクラブチームで公式戦ではないのですが練習試合等をやって、どれだけ見てもらえるかわかりませんが、個人のレベルからやっていく1年になると思います。

――16日の本番に向けてファンへのメッセージをお願いします。
豊島　今できること、今できるメンバーだけでのイベント参加になりますが、少しでもバスケットボールを通して皆様が喜んでいただけたり、楽しんでもらえるイベントにしたいと思いますので、楽しみにしてください。

車いすバスケットボールならではのテクニックも披露したいと豊島