2021.08.31

仲間に支えられてトルコ戦を戦い抜いた藤本怜央…「本当に感謝しかない」

チームメートへの感謝を述べた藤本怜央(中央)[写真]=Getty Images
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 8月30日、東京パラリンピック車いすバスケットボール競技は6日目を迎え、予選Aグループ3位の男子日本代表は同2位のトルコ代表と対戦した。決勝トーナメント進出を決めたチームどうしの対戦となったこの試合では、エースの藤本怜央が19得点、香西宏昭が22得点とオフェンス面で活躍。注目の若手である鳥海連志も14リバウンドを奪うなどインサイドで奮闘し、67−55で勝利を収めた。

 試合後に行われたインタビューに対し、藤本怜央は「ディフェンスで勝った感じですね。自分たちが5年間やってきたディフェンスが本当に通用するんだなというのが実感できた試合でした」と試合を振り返った。

 試合内容について問われると、序盤の失点で流れに乗れなかった場面を「ハーフコートディフェンスから入ったんですけど、やっぱり海外はハーフコートディフェンスに対するオフェンスの仕方はかなり得意です」と分析し、それに対して「高い位置で張ることだったり、切り替えを早くしてキーになる選手に早めのコンタクトをしに行くことを前半のうちに仕掛けていった」と戦術を変えて対応し、試合を優位に運んだことを明かした。

 さらに「後半は早めにコンタクトすると走り始めるので、体力勝負になってきたときに、うちが一気に爆発した感じです」と、競る展開から相手を突き放した要因についても触れた。

 また、今大会の自身の出来について「僕は(いつもと)一緒ですよ」とした上で、「エースとしての自覚は持ちつつも、(味方を)信頼して頼るというのは、今回初めて感じてる部分」とコメント。前回のリオ大会からの5年間で培った信頼を語った藤本は、「『ありがとう』ばっかり言ってます(笑)自分が苦しいときに点を決めてくれたり、自分がミスをしたときにフォローしてくれたり、そういうことが非常に多いチームなので。あと、プレーしてる選手だけじゃなくて、ベンチメンバーにも支えてもらいながら、40分間毎回戦わせてもらって、本当に感謝しかないですね」と、仲間への感謝を述べた。

 次戦からはメダルを争う決勝トーナメントを戦うこととなる。藤本は、「僕自身も、ここから先はあまり経験したことのないステージに入ってくるので、どう戦っていくかというのは気持ち次第、どういう自分でいくかだと思うんです」とコメント。そうした中でも、「自分がこのチームで何を求められているのか、ベテランとして何をしなければいけないのか、そういうところにしっかりと向き合いたいと思います」と、自身のやるべきことは明確になっていた。

 決勝トーナメント初戦となる準々決勝オーストラリア戦は、9月1日午後8時45分にティップオフが予定されている。