Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』

6月6日、「2025−26WKBLアジアクォータードラフト」が東京都内にて行われ、10人の日本人選手がWKBL(韓国女子プロバスケットボールリーグ)新シーズンへの参戦が決まった。
この日の午前にはトライアウトが行われ14名がWKBL全6チームの監督やスタッフが見守る中、プレーを披露した。そして午後のドラフトには昨シーズンをWKBLでプレーし、トライアウトは免除となっていた4名が加わり(志田萌のみトライアウトも参加)、計18名がドラフトに臨んだ。
アジアクォーターは昨年から始まった制度で、各チーム2名まで日本人選手の保有が可能となり、ドラフト指名順は昨シーズンの結果を踏まえた抽選によりハナ銀行、新韓銀行、KBスターズ、ウリ銀行、サムソン生命、BNKサムとなっていた(2巡目の指名順はその逆)。
1巡目、1位指名権のあるハナ銀行は昨シーズンもWKBLでプレーし、当時所属していたBNKの初優勝にも大きく貢献した飯島早紀を指名。今シーズンよりハナ銀行の指揮を執るイ・サンボム監督は、「昨シーズンを見て、オフェンスもディフェンスも両方をうまくできる選手ということで指名させてもらいました」と、その理由を語った。対して飯島は「指名の順位に関係なくどれだけチームに馴染んでチームの役割を果たせるかがとても大事になってくるというのを昨年感じたので、チームに貢献できるように努力したいです」と、コメント。また、「ハナ銀行はポイントガードを求めているのかなと思っていたので指名していただけるとは思わなかったのですが、昨シーズンの私のプレーを見て点を取りに行ったりやディフェンスだったりを評価していただいていると思いました。そういったところは前面に出して行きたいし、センターがいるチームなのでいい連携を取れるようなプレーも増やしていきたいです」と、新天地での飛躍を誓った。
続く2位は新韓銀行が元三菱電機コアラーズの三間瑠依を指名。新韓銀行は、今シーズンより監督、スタッフが大幅に変わり、39歳のチェ・ユナ監督が新監督となった。現役時代は韓国代表としても活躍したポイントガードのチェ監督は、三間の獲得について「彼女のプレースタイルが追求しようとしているバスケットボールのスタイル、今チームに必要なものとマッチしていました」と、言う。加えて「センターとしてのインサイドでの体を張ったプレーもそうですが、外角シュートもあるので、そこも高く評価しています」とも語った。
トライアウトでマッチアップする河村(左)と三間 [写真]=WKBL
三間自身は、「韓国でプレーできる機会をいただけたことにうれしく思っています。ここがゴールではなくこれからがスタートではあるのですが、1、2カ月間ほど不安もある中で過ごしてきたので少し安心感はあります」と発し、さらに「(韓国のチームとはこれまでも)練習試合をさせてもらい、当たりが強いことは肌で感じています。今まではストレッチ4のようなプレースタイルでしたが、(新韓銀行では)5番ポジションのプレーも必要とされるなと思うので、高校のときのようなプレーも思い出して力強くやりたいと思います」と、意気込んだ。
3位指名権を持つKBスターズは、元アイシンウィングスの酒井彩等を指名。酒井は、Wリーグで11シーズンもプレーしたというキャリアもさることながら、午前のトライアウトでも的確なパス捌きや自身のシュートなど能力を発揮した選手。「いつも10月のシーズン開幕に(コンディション等を)合わせていたので、6月に合わせるのはとても難しかったのですが、思ったよりは(力は)出せたかなと思いました」とコメント。「得意なジャンプシュートは絶対的に自信があるので、そこを出して行きたいし、日本で11年培ってきたトランジションの速さは武器なので、そこも出して行きたいです」と、抱負を語った。
トライアウトで持ち味をいかん無く発揮したといえばウリ銀行から4位で指名を受けた関ななみ(元日立ハイテククーガーズ)もそうだろう。3ポイントシュートやドライブ、タフなディフェンスにガッツあるルーズボールとあらゆる面で奮闘した。
「ウリ銀行はディフェンスを大事にしているチームということを聞き、私もディフェンスは得意なのでそこでもアピールしていきたいです」と、関。さらにはチームの絶対的エースであるキム・ダンビについて「いろいろなことを学びたいなと思っています」と、笑顔を見せた。
5位のサムソン生命からの指名を受けたのは河村美幸(元トヨタ紡織サンシャインラビッツ)だ。日本代表の経験もあるセンターは、WKBL挑戦への思いを「これまでいろいろな韓国の選手やスタッフにお世話になったので、こういう形で恩返しではないけれど、『これぐらい成長しましたよ』というのを見せられたらと個人的には思っています。ですが、韓国のファンの方たちにとっては初めましての人も多いので、日本の選手を代表しているということに恥じないように自覚と責任を持ってやっていきたいです」と、力強く語った。
1巡目の最後、昨シーズン優勝のBNKが6位に指名したのは中澤梨南(元山梨クィーンビーズ)。177センチのセンターは「韓国でプレーすることでもっと自分の強みや気づかなかった面で成長できるのではと考えています。期待以上のプレーをできるように頑張りたいです」と、目を輝かせた。
なお、ドラフトの結果は以下のとおり。2巡目ではKBとハナ銀行が指名なしだったため、最終的には10名で、昨シーズンに続いて今シーズンもWKBLでプレーするのは、飯島、砂川夏輝、平野実月の3名となった。
昨シーズンも新たな風を吹かせた日本の選手たち。新シーズンでも10名のプレーからは目が離せない。
▪️1巡目
1位 ハナ銀行 飯島早紀(元BNKサム)
2位 新韓銀行S-birds 三間瑠依(元三菱電機コアラーズ)
3位 KBスターズ 酒井彩等(元アイシンウィングス)
4位 ウリ銀行ウィリウォン 関ななみ(元日立ハイテククーガーズ)
5位 サムソン生命ブルーミンクス 河村美幸(元トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
6位 BNKサム 中澤梨南(元山梨クィーンビーズ)
▪️2巡目
7位 BNKサム 砂川夏輝(元ウリ銀行ウィリウォン)
8位 サムソン生命 濱西七海(元山梨クィーンビーズ)
9位 ウリ銀行 鬼塚彩乃(元日立ハイテククーガーズ)
10位 KBスターズ 指名なし
11位 新韓銀行 平野実月(元サムソン生命ブルーミンクス)
12位 ハナ銀行 指名なし
文=田島早苗