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国際バスケットボール連盟(FIBA)は11月7日(現地時間6日)、イギリスバスケットボール連盟(British Basketball Federation/BBF)に対する制裁措置を発表した。FIBAによると、イギリス男子バスケットボールのガバナンスと規制遵守に重大な問題が確認され、BBFの役割の一部が停止対象となっていた。
FIBAは8月20日(現地時間19日)に「イギリス・バスケットボール・クラブ問題タスクフォース」を設置し、イギリス国内の男子クラブ競技とリーグ運営に関する調査を進めていた。調査では、男子トップカテゴリーのライセンス付与手続きに不透明な点があったことや、関係クラブとの合意形成が十分でなかった点が指摘され、FIBAはBBFに対する制限措置を決定した。
問題の中心にあったGBBリーグ・リミテッド(GBB League Ltd)は、イギリスの男子トップリーグを新たに運営することを目的に準備されていた事業体で、アメリカの投資グループの支援を受けている組織。BBFは同社に対して男子プロリーグの運営ライセンスを15年間付与する方針を示していたが、この決定過程について既存クラブが透明性や協議不足を指摘しており、利害関係者の間で争いが生じていた。
FIBAが一時停止していたのは、BBFによる国内男子クラブ競技の認可と、男子ナショナルチームのFIBA主催シニア大会への登録・出場手続きの2点。一方、今回の声明では男子代表チームの参加資格が回復したと示され、イギリスは11月27日(現地時間26日)に開幕する「FIBAバスケットボールワールドカップ2027 ヨーロッパ予選」に出場できる見通しになった。
クラブ競技に関する停止措置は継続しており、FIBAは暫定対応として、イギリスの男子リーグを運営するスーパーリーグ・バスケットボール(SLB)との間で「承認契約」を締結した。これにより、SLBがFIBAに認められる形式で国内トップカテゴリーを運営する体制が設けられた。
制限措置の背景には、BBFがGBBリーグ・リミテッドへの運営権付与を進める一方、既存クラブとの調整が不十分であったことがあり、複数クラブがBBFに対する法的手続きを開始していた事実がある。イギリス国内の男子リーグ再編を巡る状況は、依然として調整が必要な段階にある。
BBFによれば、女子代表チームおよび年代別代表チームには影響がないとされ、措置の対象は男子カテゴリーに限定されている。
文=入江美紀雄