2017.09.13

シニアプロデューサーのベニッシュ氏に聞く、『NBA 2K18』の魅力と楽しみ方

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NBA 2K』シリーズ待望の最新作、『NBA 2K18』が9月19日に発売される。ゲームにおける選手のビジュアルや動き、アリーナの模様は、まるでNBAの試合を見ているかのようなリアルさだ。また、選手のタトゥー、バッシュやサポーターなど、細部にまで様々な工夫が施されている。しかし、進化を遂げたのは、グラフィック面だけではない。新モード「ネイバーフッド」、各チームのレジェンド選手によって構成された「オールタイムチーム」も今作の魅力だろう。『バスケットボールキング』では今回、『NBA 2K18』のシニアプロデューサーを務めるエリック・ベニッシュ氏へのインタビューを実施。ゲームの魅力や特徴、初心者でも楽しめる『NBA 2K18』のポイントについて話をうかがった。

インタビュー=酒井伸

――『NBA 2K18』が進化した点について教えてください。
エリック・ベニッシュ(以下EB) 大きなポイントの一つ目はグラフィックについてです。前作の『NBA 2K17』を発売した時に「これ以上、グラフィックが良くなるのか?」と言われましたが、『NBA 2K18』と『NBA 2K17』を比較すると違いがわかると思います。顔の解像度がさらに良くなり、ユニフォーム、肌や汗の様子、光の反射もすごく細かく表現されています。そして、新要素でもある「ネイバーフッド」を搭載しました。ゲームのプレーヤーが選手になりきり試合を楽しむだけでなく、新しいユニフォームやシューズを買ったり、床屋で髪を切ったり、タトゥーを入れたりなど、様々なことを楽しむことができます。

NBA 2K17』(左)と『NBA 2K18』(右)の比較。タトゥーや髭なども細かに表現されている

――選手の特徴がよりリアルになりましたが、制作する上で具体的に取り組んだことは何ですか?
EB 選手をスキャンするハードウェアを、より細かいところまで表現できるものに変えたことです。今までは顔とタトゥーしか抑えられませんでしたが、新しいマシンは胴体から指先まですべてスキャンすることができ、全身をリアルに表現しています。

――今シーズンから、ユニフォームのメーカーがアディダスからナイキに変わりました。
EB ユニフォームは新作の度に作り直していますが、アディダスからナイキに変わったことで、新たにレーザースキャンを取り入れました。例えば、ユニフォームがどういうふうに選手の体にフィットするのか、選手のプレーに対してどう動くのか、なども考慮したかったので、新しい技術の導入を決めました。

――例えば、ステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)がありえない位置から3ポイントシュートを決めるなど、近年のNBAはプレースタイルが大幅に変化しています。そのようなプレーはどのように反映させていますか?
EB 毎年、選手のプレー傾向を調査していて、細かいところまで再現しています。カリーの場合、彼の癖を確実に捉えて、まるでカリー自身がプレーしているような動きになっていますし、チームのスタイルも同じで、ピック&ロールを多用するチーム、アイソレーションの多いチームなどもゲームに反映させています。

――引退した選手たちもゲームに登場しますが、彼らの動きやビジュアルはどのように分析しているのですか?
EB 保存されている昔の動画や画像を参考にしていますし、開発チームの多くがNBAファンなので、自分たちの見たものや知識も利用しています。

――現役選手、引退選手それぞれに総合評価が割り当てられています。このポイントはどのようにして決めていますか?
EB 総合評価を決める計算式があり、選手の能力値を入れることで決定します。「大体90点くらいだと思って決めているんだろう」と思われているかもしれませんが、厳密な計算から割りだしています。現時点での最強選手はマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズ他)です。

――今回、制作に携わる中で大変だったことを教えてください。
EB「ネイバーフッド」が一番大変でした。このレベルのクオリティーをわずか8カ月の開発期間の中で作りあげるのは本当にクレイジーな体験だったと思います。今までの「マイキャリアモード」はシングルプレーヤーのみでしたが、今作からは複数でも参加可能です。ゲームのプレーヤー同士が一緒に楽しむという世界を実現したのは、本当にすごくて、やりがいがあることだと感じています。自分たちがどうやってここまでたどり着けたのか、思いだしてもわからないくらいです(苦笑)。しかし、情熱を持って取り組み、素晴らしい作品ができて良かったと思っています。

――バスケやNBAにあまり興味がない人でも楽しめるポイントを聞かせてください。
EB まずは「2KU」という基本的なモードを体験し、下級、中級、上級と徐々にレベルを上げてゲームに慣れてもらいたいです。また、「マイキャリアモード」で自分のキャラクターを作るのもいいと思います。自分自身がストーリーの中心になるので、NBAのことをあまり知らなくても楽しめるはずです。あとは、今作のポイントでもある「ネイバーフッド」にも挑戦してみてください。

――今後、『NBA 2K』シリーズはどのように進化していくと思いますか?
EB ここまで成長し続けていますし、これからもさらに良くなるように励んでいきたいです。ゲームがどのように変わるのかは、ユーザー次第だと思います。『NBA 2K18』がユーザーの手に届いて、「ここが良かった。ここが悪かった」、「こうなってほしい」などというフィードバックをくれることを期待しています。

――最後に、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。
EB いつもサポートしていただき、ありがとうございます。今作は全世界同時発売で、この事実だけをとっても日本のサポートがどれだけ大きいかわかるはずです。『NBA 2K18』はこれまでにないレベル、内容でとてもいいゲームになったと思っています。ビジュアルコンセプトの開発チームも自分たちの魂を捧げて精一杯作ったので、本当にこのゲームを楽しんでほしいですし、たくさんの友達にこのゲームの面白さを広めてください。