2018.04.19
2007年にアメリカン大を卒業後、下部リーグ(Gリーグ)で10年以上もプレーしてきた男が、32歳にして初となるNBAのコートに立った。
男の名はアンドレ・イングラム。190センチ83キロのガードは、今季途中まで10シーズンをGリーグでプレー。これまで計384試合に出場し、平均25.6分10.2得点3.1リバウンド1.6アシストを残してきた。
そのイングラムにチャンスが訪れたのは4月10日(現地時間9日)。ロサンゼルス・レイカーズが、新人ロンゾ・ボールが膝の負傷で今季残りの試合を欠場することが濃厚となったため、イングラムに白羽の矢が立ったのである。
レイカーズとの契約は今季終了まで。イングラムがNBAでプレーするチャンスは、11日(同10日)のヒューストン・ロケッツ戦と、12日(同11日)のロサンゼルス・クリッパーズ戦の2試合に限られていた。
だが意外にも、イングラムの出番は早々に訪れることとなった。ロケッツ戦の第1クォーター残り1分53秒、ゲイリー・ペイトン二世と交代で、イングラムがコートに登場。第2クォーター残り10分46秒に初のショットとなった3ポイントシュートを決めてみせたのである。
この試合、レイカーズはリーグトップの成績を誇るロケッツ相手に敗れてしまったものの、イングラムはデビュー戦で上々のパフォーマンスを披露。ジョシュ・ハートの40分に次ぐチーム2位のプレータイム(約29分)を得たイングラムは、19得点3リバウンド3ブロック。8投中6本(うち3ポイントシュートは5投中4本)のショットと3本すべてのフリースローを成功させた。
イングラムは試合後、現地メディア『AP』に対して「最初のショットが落ちると思わないように心掛けた。選手たちだけじゃなく、コーチたちも『コートに出たら、思い切って行け』と言ってくれた。なんだかクレイジーだったよ。でも最初のショットが入るのを見て、良い感じだと思ったよ」と語っていた。
ちなみに、レイカーズ戦で通算892試合目となったロケッツのクリス・ポールは、イングラムと同じ32歳。ポールはイングラムに対してこんな言葉を伝えたという。
「俺は、彼のストーリーを聞き、これまで積み重ねてきたことはすばらしいと伝えたんだ。彼のことをとても尊敬している。彼は10年に渡ってGリーグでプレーし、ようやく今日のようなプレーをするチャンスをつかんだんだ。きわめて特別なことさ」。
ポールの言葉を受けて「最高だった」と満面の笑みを見せたイングラム。この試合、ロケッツはここ34試合で31勝目を挙げたのだが、選手たちの視線はイングラムに向けられていた。32歳ながらデビュー戦で5投中4本もの長距離砲を沈めただけに、インパクトは十分だったはず。同い年のポールが所属するロケッツは、リーグで最も3ポイントシュートを多用するチームだからだ。
少ないチャンスで最大限のパフォーマンスを見せたイングラム。シーズン最終戦となるクリッパーズ戦でもアピールすることができれば、来季はNBAの開幕ロースターの一員として、プレーすることができるかもしれない。
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