2018.04.13
3月30日(現地時間29日)に、ウエスタン・カンファレンス2位のゴールデンステート・ウォリアーズがミルウォーキー・バックスに敗れたことで、ヒューストン・ロケッツはチーム史上初となるウエストトップシードを獲得した。
31日(同30日)に行われたフェニックス・サンズとの試合は、ロケッツ劣勢の中、終盤にエースのジェームズ・ハーデンが同点に持ち込む3ポイントシュートをねじ込む。残り1.4秒にジョシュ・ジャクソンのショットで2点ビハインドを背負うも、最後はベテランのジェラルド・グリーンから放たれた3ポイントシュートが決まってロケッツが逆転勝利。この試合を終えた時点で62勝14敗としたことで、イースタン・カンファレンス1位のトロント・ラプターズを抑えてリーグトップの成績を残すまで、あとわずか1勝に迫っている。
TOP PLAYS from the wild @HoustonRockets x @Suns finish! pic.twitter.com/v4Tl7Q4luk
— NBA (@NBA) March 31, 2018
そんな中、ハーデンは現地メディア『The Houston Chronicle』へこんな言葉を残している。
「いい状態だ。俺たちは今、コンディションを良好に保つこと、そして準備万端か確認することにフォーカスしている。なぜなら、俺たちはまだチームとして何も成し遂げていない。だから健康な状態を保ち、それぞれの選手がリズムをつかみ、いい状態でプレーオフへと臨みたいね」。
創設51シーズン目のロケッツは、1994、95年にアキーム・オラジュワン(元ロケッツほか)を中心とした布陣で2連覇を果たした。だが、ハーデンを軸としたチームは、優勝どころかNBAファイナルの舞台にも進めていないというのが現状である。ハーデンはチーム史上最高成績を残している中、冷静にチームの現状を把握していた。
ロケッツはプレーオフで天敵ウォリアーズを撃破し、チャンピオンシップを獲得するという最大の目標を果たすべく、ダレル・モーリーGMをはじめ、組織全体で優勝できるチームを構築してきた。
運命のプレーオフまで、約2週間に迫った。ハーデンはチームメートたちを誇りに思うと共に、互いの信頼関係とチャンピオンリングを欲するメンタリティをチームの強みとして挙げている。
「俺たちはシーズンをとおして一緒にプレーしてきた。だからお互いに期待していることを知ることができるようになってきた。俺たちがどれだけプレーしようと、皆が同じメンタリティを持って臨むことができるだろう。ポストシーズン(プレーオフ)では、この点が俺たちを手助けしてくれると思う。どんな場面であろうと、俺たちのメンタリティが変わることはないからだ」。
もっとも、ロケッツの既存戦力において、優勝経験があるのはトレバー・アリーザ(2009年のロサンゼルス・レイカーズ)のみ。NBAファイナルを経験したのはそのアリーザとハーデン(2012年のオクラホマシティ・サンダー在籍時)しかいない。そのため、ロケッツは優勝を狙うにあたり、プレーオフにおける経験が十分とは言えない。
それでも、主力選手たちには豊富なプレーオフ経験がある。ハーデンは88試合、アリーザが85試合、クリス・ポールは76試合、ネネが73試合、そしてベテランのジョー・ジョンソンはチームトップの112試合に出場してきた。
今思うと、15年に優勝したウォリアーズのロースターには、NBAファイナル出場経験者さえ皆無だった。そう考えると、プレーオフにおける経験が優勝するための絶対条件ではないという見方もできる。
今季のロケッツには、当時のウォリアーズのように、圧倒的なオフェンス力で相手チームをねじ伏せてしまうような雰囲気を感じさせる。ハーデンが語ったとおり、万全のコンディションと統一された強じんなメンタリティでプレーオフを戦い抜くことができれば、チャンピオンシップを勝ち取ることができるのではないだろうか。
ロケッツ優勝への期待は、日に日に増してきている。
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