2018.05.30
5月25日(現地時間24日)、ヒューストン・ロケッツ(2勝)とゴールデンステート・ウォリアーズ(2勝)によるウエスタン・カンファレンス・ファイナル第5戦が、ロケッツのホーム、トヨタ・センターで行われた。
序盤で優位に立ったのはロケッツ。ジェームズ・ハーデンのレイアップ、クリント・カペラのショットが2本決まり、6-0とする。
ウォリアーズはドレイモンド・グリーンのパスをクリス・ポールに2回もスティールされるなど、開始3分間で無得点。第1クォーター残り8分50秒にケビン・デュラントのダンクでようやく初得点を挙げた。
その後もデュラントが得点を重ねていくものの、ロケッツはカペラのダンク、トレバー・アリーザの3ポインター、さらにはジェラルド・グリーンの長距離砲が2本連続でリングを突き刺し、残り3分2秒で19-8とリードを広げていく。
するとウォリアーズはベンチスタートのジョーダン・ベルとショーン・リビングストンがショットを決め、デュラントのレイアップと3ポインターで4点差まで縮める。その後、残り28.7秒にポールがフリースローを2本決めて23-17、ロケッツ6点リードで最初の12分間を終える。
第2クォーター序盤は、PJ・タッカーの3ポインターとハーデンのダンクが決まり、ロケッツがリードを11点へ拡大。しかしウォリアーズはステフィン・カリーが3ポインター、ジャンパー、フリースロー2本を決めるなど、徐々に点差を縮めていった。
それでもロケッツは、ハーデンやゴードン、タッカーらのショットでリードを譲らず、このクォーター残り3分15秒には45-37と、8点リードを得る。そこで立ち上がったのがデュラントとグリーン。残り約3分間、ロケッツを無得点に抑え込み、2人で8得点を奪い、45-45のタイスコアに持ち込み、前半を終える。
第3クォーター。開始早々にクレイ・トンプソンのジャンパーが決まり、ウォリアーズが先制するも、前半わずか2得点だったポールが王者の前に立ちふさがる。このクォーターだけで3本の長距離砲を沈めるなど計11得点の集中砲火でロケッツに勢いをもたらした。
それでも、そう簡単に主導権を渡さないのがウォリアーズ。デュラントやカリー、トンプソンが着実に加点していき、72-71と1点リードで最終クォーターへ。
第4クォーター。序盤にウォリアーズはカリーとトンプソン、ロケッツはグリーンとポールの長距離砲が飛び交い、一進一退の攻防となっていった。
だがこの日、ゲームを優位に進めたのはロケッツだった。残り7分53秒にハーデンのフリースロー2本が決まって81-80と逆転すると、ウォリアーズの粘りに遭いながらも、何とかリードを保っていく。
残り3分9秒にトンプソンが3本のフリースローを決め、残り1分42秒でグリーンがティップショットを決めて1点ビハインドとすると、ハーデンのキックアウトからゴードンが値千金の3ポインターをヒット。残り1分21秒でロケッツが4点リードを手にした。
その直後、グリーンがゴードンとほぼ同じ位置から3ポインターをねじ込むと、アリーザがファウルで得たフリースローを2投中1本成功。残り6.7秒、2点ビハインドで迎えたウォリアーズだったが、カリーのパスをグリーンが受け取りきれず、痛恨のターンオーバー。
ファウルを受けたゴードンがフリースロー2本を確実に沈め、最終スコア98-94でロケッツが第5戦を制し、NBAファイナルまであと1勝とした。
ロケッツではベンチスタートのゴードンがチームトップの24得点2スティール、ポールが20得点7リバウンド6アシスト3スティール、ハーデンが19得点、カペラが12得点14リバウンド2ブロック。ロケッツは第3戦で41点差の大敗を喫してから、見事な巻き返しで2連勝して王手。
しかし、2試合連続で7人ローテーションを敷いているため、ロケッツは主力の疲労蓄積が懸念される。この試合では第4クォーター終盤にポールが右足のハムストリングを痛めたのか、コートを離れてしまい、最後の場面はベンチからチームメートの戦いを見届けていた。
一方のウォリアーズでは、デュラントがゲームハイとなる29得点、トンプソンが23得点、カリーが22得点7リバウンド6アシスト4スティール、グリーンが12得点15リバウンド4アシストを残すもこれで2連敗。主軸のアンドレ・イグダーラは、2試合連続の欠場となった。
この試合、ウォリアーズはグリーンの6本を筆頭に16ターンオーバーを喫し、ロケッツにチャンスを与えてしまった。フィールドゴール成功率44.4パーセント、3ポイントシュート成功率38.5パーセントはいずれもロケッツを上回るものだったが、アシスト数は18本しかなく、ウォリアーズらしい流麗なボールムーブメントから生まれる鮮やかなショットが影を潜め、ロケッツのプレッシャー・ディフェンスに苦しんだ。
「俺たちは、またしても自分たちのディフェンスに頼らざるをえなかった。第4戦で俺たちはショットを決め切れなかったが、ディフェンスがとても良かった。今夜も同じ展開だった」とハーデンは試合後の会見で口にしている。
ロケッツのフィールドゴール成功率はわずか37.2パーセント、ハーデン自身も21投中成功わずか5本と苦しんだ。それでも、フリースローで得点をつなぎ、ディフェンスでも奮闘して勝ち切ることに成功した。
ウォリアーズのスティーブ・カーHCはイグダーラの戦列復帰に関して聞かれると「彼は心底プレーしたがっている。だが今はまだ十分な健康状態ではない。日ごとにチェックし続けていくことになるだろう」と語り、明言を避けた。
それでも、ウォリアーズの選手たちは前だけを見据えている。
デュラントが「(王手をかけられたが)それでも自信を持ってる。俺たちにはこの試合で勝つチャンスがいくつかあった。俺たちはゲームを締めくくることができなかっただけ」といえば、グリーンは「俺たちは残り2試合に勝つことができると知ってる。『以前にもそうやってきた』ということが、良い感覚をもたらしてくれるのさ」と語り、自信をのぞかせた。
シリーズ第6戦は、ウォリアーズのホーム、オラクル・アリーナで27日(同26日)に行われる。第5戦終了時点で、ハムストリングを負傷したポールの出場は未定。ロケッツは万全な体制で臨めない可能性が出てきたが、3勝2敗で王手をかけていることに変わりはない。ウォリアーズとしては、フランチャイズ史上初の連覇を達成するべく、“マスト・ウィン”ゲームとなる。
はたして、“事実上のファイナル”と称されるこのシリーズは、第6戦で幕を閉じてしまうのか。それともウォリアーズが王者の意地を見せつけるのか。どちらかのチームが制覇するまで、ぜひとも見届けたいものである。
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