2018.10.15
5月28日(現地時間27日)、ボストン・セルティックス(3勝)とクリーブランド・キャバリアーズ(3勝)によるイースタン・カンファレンス・ファイナル第7戦が、セルティックスのホーム、TDガーデンで行われた。
第6戦序盤に脳震とうのような症状を起こしたケビン・ラブが、NBA規定の脳震とうガイドラインにより欠場となったキャブスは、ジェフ・グリーンを先発に起用し、今年のプレーオフで難攻不落と評される敵地TDガーデンに足を踏み入れた。
序盤はホームのセルティックスが快調に得点を重ねていく。ジェイソン・テイタム、テリー・ロジアー、アル・ホーフォードの得点で6-0とし、スタートダッシュに成功。キャブスはレブロン・ジェームズが4連続得点を挙げて対抗するも、セルティックスはテイタムの5連続得点などでリードを広げていく。
すると第1クォーター残り4分46秒、グリーンの3ポイントプレーでキャブスが13-13のタイスコアにすると、両チームがリードを奪い合う。するとセルティックスは残り2分11秒から9連続得点を奪取し、26-18でこのクォーターを終える。
第2クォーターに入ると、セルティックスはリードを2ケタに広げ、キャブスを引き離しにかかる。テイタムやホーフォード、マーカス・モリスのショットで最大12点差をつけた。
対するキャブスはジョージ・ヒルとグリーン、JR・スミスらのショットが決まると、徐々に点差を詰めていく。前半残り58.0秒にグリーンのショットが決まって39-40の1点差まで追い上げる。するとセルティックスは残り30.2秒にジェイレン・ブラウンが長距離砲を沈め、ロースコアの展開ながら43-39で4点リードを奪ってハーフタイムへ。
後半に入ると、両チームのショットがなかなか決まらない状況が続く中、キャブスはセルティックスに食らいつき、第3クォーター残り6分54秒にグリーンの3ポイントプレーで同点(47-47)に持ち込む。
テイタムとブラウンのショットで再び4点をリードしたセルティックスだったが、キャブスもレブロンとグリーンの3ポインターなどで応戦。重苦しい展開の中、第3クォーター残り37.8秒にもレブロンの長距離砲がリングを潜り抜け、59-56のキャブス3点リードで最終クォーターへ。
第4クォーターも、両チームによる僅差の攻防が繰り広げられた。序盤にテイタムとホーフォードのショットでセルティックスがリードを奪うと、レブロンのショットでキャブスが追いつき、モリスの3ポインターが決まるとスミスがすかさずお返しの3ポインターをねじ込む。
このクォーター中盤にキャブスが4点をリードするも、タイムアウト明けにテイタムがレブロン越しに強烈なダンクを浴びせ、3ポイントシュートも決めて、残り6分4秒でセルティックスが逆転(72-71)。
TDガーデンに集まった大勢のセルティックスファンが見守る中、セルティックスがランを見せるかと思われたが、キャブスは直後のポゼッションでグリーンが3ポインター、レブロンとのピック&ロールで隙を見つけたトンプソンがダンクをたたき込み、キャブスが4点リードを奪う。
するとセルティックスの選手たちが放つショットがリングに嫌われ始める。それを尻目にキャブスはレブロンとヒルが加点し、残り1分4秒にレブロンが決定打となる3ポイントプレーを完遂。その後もヒルのフリースローが2本決まってキャブスが12点リードを手にし、キャブスが勝利を確信。最終スコア87-79で第7戦を制し、4年連続のNBAファイナル進出を果たした。
勝利したキャブスでは、レブロンが48分間フル出場。いずれもゲームハイとなる35得点15リバウンド9アシスト2ブロックを挙げる大車輪の働きで、シリーズ制覇の殊勲者に。
また、レブロンの脇を固めるグリーンが19得点8リバウンド、スミスが12得点、トンプソンが10得点9リバウンドを記録。チーム全体で3ポイントシュートが35投中9本成功と、成功率25.7パーセントに終わるも、何とか競り勝ってみせた。
一方のセルティックスでは、テイタムが24得点7リバウンド、ホーフォードが17得点、ブラウンが13得点6リバウンド、モリスが14得点12リバウンド、マーカス・スマートが4リバウンド7アシストをマーク。だが、これまでの試合であれば決めていたであろうショットをミスしてしまう場面が何度もあったことは否めない。
チーム全体でフィールドゴール成功率34.1パーセント、3ポイントシュートに至っては39本放って成功はわずか7本。17.9パーセントという成功率が示すように、ほとんどのショットが空を切ってしまった。
セルティックスのブラッド・スティーブンズHCは試合後の会見で「とんでもない男だ。彼はこのステージで、多くのプレッシャーと(我々による)緻密なスカウティングを受けながらここまでのプレーをやってのけた。ただただ信じられない」とコメント。“彼”とはもちろん、レブロンに他ならない。
「コーチ(タロン・ルーHC)から、今夜はずっとプレーしてくれるか聞かれたんだ。そして俺はどのようにしてこの状況を乗り切ることができるか理解しようとしただけさ」とレブロン。48分間、得点源かつコンダクターとして常に状況を見渡し、レブロンは最大限の結果を残してみせたのである。
レブロン率いるキャブスはこれで4年連続のファイナル進出。レブロン個人としては8年連続(通算9度目)となる。激戦を終え、「ファイナルの舞台に帰ってくることができた」とレブロンは胸をなでおろした。
敗れてしまったセルティックスのホーフォードは「NBAファイナルにたどり着くためには、もっともっと向上していかなければならない」と悔しさを口にしていたものの、「僕はすべてを楽しむことができたと思ってる。チームとしてもここまで来ることができた。コートに出たら、どの試合でもとても楽しめた」とテイタムが語ったように、チームとしてNBAファイナルまであと1勝に迫ることができたことは、来季以降に向けてとてつもない収穫になったと言っていい。
来季のセルティックスには、オールスター選手のカイリー・アービングとゴードン・ヘイワードが戻ってくる。主軸の中ではアーロン・ベインズが制限なしフリーエージェント(FA)、スマートが制限つきFAになるものの、ホーフォードにテイタム、ブラウン、ロジアー、モリスは契約下にあり、彼らの成長度合いを考慮すれば、今季よりもさらにパワーアップするに違いない。
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