2018.06.25

今年のドラフト1位でエイトンを指名したサンズ、今夏ペイトンとレンとは契約放棄?

ペイトンは来季、サンズ以外のチームでプレーすることが濃厚となった[写真]=Getty Images
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FAでベテランを獲得するため若手2選手とは再契約しない見込み

 6月22日(現地時間21日)、フェニックス・サンズは「NBAドラフト2018」でいの一番にアリゾナ大のビッグマン、ディアンドレ・エイトンを指名。新指揮官には直近3シーズンをユタ・ジャズのACとして過ごしたイゴール・ココスコフを招へいし、着々とチーム強化に取り組んでいる。

サンズはエイトン(右から2番目)を含む4選手をドラフトで獲得した[写真]=Getty Images

 6月24日(同23日)、現地メディア『Arizona Republic』は、ドラフトを終えたサンズのライアン・マクドノーGMが今夏の補強プランについてこのように語ったと報じている。

 「我々は今夏、数名のベテラン選手を加えることで、来年は21勝よりも多く勝つことができると考えている。ベテラン選手たちと一緒にプレーすることこそが、このチームのルーキーや若手を成功と呼べる位置まで引き上げることになるだろう。我々はドラフトでアグレッシブだったが、フリーエージェント(FA)市場でもアグレッシブであり続けるつもりだ」。

 同メディアによれば、サンズは7月を迎えるまでに、センターのアレックス・レンとポイントガードのエルフリッド・ペイトンとの権利を放棄することになるという。ビッグマンのエイトンをドラフトで指名したことで、キャリア5シーズンをプレーしたレンとの再契約は不要、今季途中にオーランド・マジックとのトレードで獲得したペイトンは、プレーに一貫性がないと判断したと報じている。

 今季平均8.5得点7.5リバウンドを挙げたレンは制限なしFA、今季サンズでプレーした19試合で平均11.8得点5.3リバウンド6.2アシストをマークしたペイトンは制限つきFAとなるが、サンズは両選手との再契約をせず、ベテラン選手の獲得を狙っているようだ。

マクドノーGMは今夏サンズはベテラン獲得を狙うと語った[写真]=Getty Images

ベテランPG、3ポイントとディフェンスに優れたPF獲得を狙う

 マクドノーGMは今夏の補強ポジションとして「ポイントガード。そして3ポイントシュートとディフェンスにたけたパワーフォワード」を挙げていた。

 現在サンズが擁しているポイントガードは、タイラー・ユリスと今年のドラフト2巡目全体31位で指名したエリー・オコボ、そして今季ケガのため全休したブランドン・ナイトの3選手。ココスコフ新HCは、エースを務めるデビン・ブッカーをゲーム終盤にポイントガードとしてプレーさせることを嫌がっており、ベテランポイントガード獲得を狙うこととなる。

 その候補の1人がパトリック・ベバリー。今季ロサンゼルス・クリッパーズの一員としてプレーしたベバリーは、ケガのためわずか11試合の出場に終わった。クリッパーズはドラフトでポイントガードのシェイ・ギルジアス・アレクサンダーをトレードで獲得しており、2巡目で指名したジェローム・ロビンソンもコンボガードを務めることができる。ミロシュ・テオドシッチがプレーヤーオプションを行使して残留したため、クリッパーズが来季、チームオプションであるベバリーの権利を破棄する可能性が出てきたからだ。リーグ屈指のオンボール・ディフェンダーであり、キャリア平均37.6パーセントの3ポイントシュート成功率を残すベバリーは、サンズにフィットすると報じている。

ベバリーのようなPGを獲得できれば、サンズの戦力増強は確実[写真]=Getty Images

 パワーフォワードではデリック・フェイバーズ(ジャズ/制限なしFA)、トレバー・アリーザ(ヒューストン・ロケッツ/制限なしFA)、ジャバリ・パーカー(ミルウォーキー・バックス/制限付きFA)といった候補がいるが、本命と呼べる選手は不明。

 というのも、フェイバーズはジャズでココスコフ新HCの下でプレーしてきたが、3ポイントシュートはキャリア平均20.2パーセントに過ぎない。アリーザはサンズが求める条件(ベテラン、ディフェンス、3ポイントシュート)を満たし、スモールラインナップではパワーフォワードを務めることができるものの、優勝を求めるアリーザが再建中のサンズと契約する可能性は低い。パーカーは低年俸で契約できれば見込みがあるものの、サンズが求める条件にマッチしているとは思えない。

 現実的には、アーサン・イリヤソバ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ/制限なしFA)あたりが妥当だろう。それでも、シクサーズはイリヤソバとの再契約を狙っており、サンズが獲得できる保障はない。

 ブッカーを中心に、エイトンやTJ・ウォーレン、ジョシュ・ジャクソンといった若手を擁し、戦力アップを目指すサンズ。今後どのようにチームを強化していくかに注目だ。