2018.11.26

キャリア10年目のタージ・ギブソン「今でもNBAでプレーできるのはありがたいこと」

今季は全試合で先発パワーフォワードを務めているギブソン[写真]=Getty Images
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ドラフト同期はカリーやハーデン、1巡目下位指名ながらNBAに定着した男

 ミネソタ・ティンバーウルブズでプレーするタージ・ギブソンは、今季でNBAキャリア10シーズン目。今季は開幕から20試合すべてで先発パワーフォワードを務めており、11月26日(現地時間25日)終了時点で平均26.4分10.8得点6.6リバウンド1.5アシスト1.1スティールをマーク。

 206センチ102キロのギブソンは33歳となった今も、攻防両面でタフなプレーを身上とし、ウルブズに不可欠な戦力として活躍を続けている。

 26日(同25日)に現地メディア『The Chicago Tribune』に掲載された記事の中で、ギブソンはこんなことを口にしていた。

 「僕は今でもNBAにいる。毎日がありがたいことだし、楽しいものさ。朝起きて、ワークアウトをこなしてゲームでプレーすることが大好きなんだ。周囲にはすばらしい選手たちがいて、今でも成長している。僕はすばらしい時間を過ごすことができているんだ」。

 今季のNBA選手の平均年齢が26.4歳ということを考慮すると、33歳のギブソンがNBAで長生きしていることは明らかだ。ギブソンは言う。

 「NBAプレーヤーの旅路というのは、それぞれまったく違うもの。僕のルーキーイヤーとその年のドラフト指名組を見てくれよ。多くの選手たちがもうNBAでプレーしていないんだ。ブルズにいた時、(主にベンチスタートだった)僕よりも先に、スターターとして出場していた選手たちでさえ、ほとんどがNBAから遠のいている。だから僕は、NBAでプレーできるという機会とこの瞬間にとても感謝しているのさ」。

アンセルフィッシュなプレーでウルブズを盛り立てるギブソン。ポストディフェンスはチームトップと言っても過言ではない[写真]=Getty Images

 ギブソンはサザン・カリフォルニア大で3年プレーし、2009年のドラフト1巡目全体26位でシカゴ・ブルズに指名されてNBA入り。09年10月30日(同29日)に24歳でNBAデビューを果たしてから、約9年が経過した。

 この年のドラフトでは、全体1位指名のブレイク・グリフィン(現デトロイト・ピストンズ)をはじめ、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)やジェームズ・ハーデン(現ヒューストン・ロケッツ)、デマー・デローザン(現サンアントニオ・スパーズ)といったオールスター選手が多数NBA入りしてきた。

 それでも、この年のドラフトで指名された60選手のうち、今季NBAでプレーしているのは20名のみ。いくらカレッジで見事な成績を残すことができたとしても、NBAキャリアは選手それぞれ。ドラフト指名順位が高かった選手がNBAから早々に姿を消すケースもあれば、ドラフト指名順位が低かった選手が長いNBAキャリアを送るケースもあるのだ。

献身的なハードワーカーかつ良きチームメートとして活躍するギブソン

 昨季から加入したウルブズで、ギブソンはここまで出場全試合でスターターを務めているものの、一昨季途中まで所属したブルズ、一昨季後半に所属したオクラホマシティ・サンダーでは約半分がベンチスタートだった。そのため、ベンチプレーヤーながらこれだけ堅実なキャリアを歩んできたギブソンは、レアケースに該当するのかもしれない。ギブソンは言う。

 「常にどんな状況に対しても準備してきた。僕はただ、ゲームでプレーすることが大好きなのさ。常に身体のケアを怠らず、いつだって若手だという気持ちを持ってきた。ハードにプレーすることが大好きなんだ。だから『110パーセントのプレーを見せてくれ』と言われても、僕にとっては簡単なことさ」。

エネルギッシュな一面もギブソンの魅力の一つ[写真]=Getty Images

 また、ここまで長くプレーできたのは、実力に加えてギブソンの人柄もあるのだろう。

 「僕は自分のことを良いチームメートだと思ってる。これまで、僕は本当にどんな選手であろうと嫌いになったことがないし、ネガティブなことを言おうとしたこともない。僕はただ、自分のチームとチームメートを手助けしたかっただけ。ポジティブなエナジーがあるんだ。僕はいつだってハッピーだし、常に笑みを浮かべているのさ」。

 ウルブズは11月中旬にジミー・バトラーをフィラデルフィア・セブンティシクサーズへトレードした。これによってロースターに変更が生じたものの、5勝2敗と好調をキープできているのは、ギブソンの存在が好影響をもたらしているからなのかもしれない。

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