2019.06.10

デュラントが負傷後約1か月ぶりにチーム練習へ参加も、第5戦出場の可能性は微妙

デュラントの戦列復帰はファイナルの行方を大きく左右することとなる[写真]=Getty Images
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第5戦当日のシュートアラウンドで出場の可否を判断すると指揮官が言及

 6月10日(現地時間9日)、ゴールデンステイト・ウォリアーズは11日(同10日)に行われる「NBAファイナル2019」の第5戦に向けた前日練習を行った。

 この練習前、ウォリアーズの指揮官を務めるスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は「彼は今日、我々と共に練習を行う予定だ。それに若手選手たちといくつか別のメニューをこなすことになっている。その状況を見て(第5戦に出場させるか)評価する」とコメント。

 彼とはもちろん、ケビン・デュラントのこと。ヒューストン・ロケッツとのウエスタン・カンファレンス・セミファイナル第5戦で右ふくらはぎの肉離れを起こしたデュラントが、約1か月ぶりにチーム練習へ参加した。

 ウォリアーズはシリーズ第4戦でデュラントが復帰することを望んでいたものの、その時点では練習に復帰することができておらず、欠場となっていた。3連覇を狙うウォリアーズは現在1勝3敗のがけっぷちに追い込まれており、今年のプレーオフで平均34.2得点を記録する過去2年のファイナルMVP、デュラントが戦列復帰できれば強烈な追い風となるに違いない。

 だが、デュラントが第5戦に出場できるかどうかは、現時点で“Questionable(疑わしい)”。当日の午前中に行われるシュートアラウンドを見て、デュラントの右ふくらはぎの状態をテストすることになるという。

コートのどこからでもショットを決めることができるデュラント[写真]=Getty Images

「KDがどれだけプレーしたいと思ってるかは理解してる」とトンプソン

 第2戦で左ハムストリングを痛めて第3戦を欠場後、第4戦に復帰してチームトップの28得点をマークしたクレイ・トンプソンは言う。

「アスリートにとって最も難しい部分は、ケガを乗り越えること。特にチームがチャンピオンシップをかけてプレーしている時はなおさらさ。僕はKD(デュラントの愛称)がどんな競争者なのか分かってるし、僕らは彼がいないことを心底寂しいと思ってることは間違いない。僕らとしては、第5戦か6戦で、彼が復帰するのを手助けするために自分たちの意志を注ぎ込まなきゃいけない」。

 過去2年のファイナルでは、クリーブランド・キャバリアーズを相手に圧倒的な得点力を見せつけたデュラント。ウォリアーズが他チームを圧倒して優勝を成し遂げてきたここ2シーズンにおいて、デュラントは勝敗を決定づける場面で何本もショットを沈めてきた。

「彼は過去2年間において、僕らを2度のチャンピオンシップ獲得へと駆り立ててくれた。ただ、スポーツの中で、ケガというのは最も難しい部分なんだ。ケガを乗り越えてプレーしなければならないからタフなこと。彼はきっと、僕らよりもすごく深刻になっていると思う。でも僕は、彼がどれだけコートに出てプレーしたいと思っているかを理解してる。これまでの僕のキャリアの中で、彼はベストな競争者の1人なんだ」とトンプソンはデュラントについて語っている。

トンプソンは第4戦で6本の3ポイント成功を含むチームトップの28得点をマーク[写真]=Getty Images

「彼ならコート上でインパクトと効率性を持ち込むと確信している」とカリー

 デュラントはオクラホマシティ・サンダーのエースとして出場した2012年も含めて、過去3度ファイナルを経験。計14試合に出場して平均31.7得点を残している。これは現役トップであり、歴代でみてもリック・バリー(元ウォリアーズほか/平均36.3得点)、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか/平均33.6得点)に次ぐ歴代3位という驚異的な数字。この男の戦列復帰が、シリーズの流れを大きく変える可能性を十二分に秘めていると言っていい。

 約1か月間もゲームから離れているとはいえ、トンプソンやステフィン・カリーはデュラントが復帰後にリズムを取り戻すことは決して難しいことではないと見ている。カリーは言う。

「多くのことを変える必要はないと思ってる。僕らはトランジションでもすごくスムーズにアジャストできるだろうから。彼はファイナルを数多く経験しているし、すごくいいプレーをしてきたんだ。僕は彼が(復帰できれば)コート上でインパクトと効率性を持ち込んでくれると確信している」。

 だがデュラントが復帰できるかどうかにかかわらず、アウェーで2連勝と勢いに乗るトロント・ラプターズを下すことは決して簡単なことではない。「自分だけでなく、ローテーションに入っているチームの皆に言えることだけど、僕らはアグレッシブかつスマートに、そして競争的にプレーしていかなければいけない。ディフェンス面は特にね」とカリーが語っており、ウォリアーズは必勝態勢で第5戦に臨むこととなる。

 過去4シーズンというもの、レギュラーシーズンとプレーオフを合わせて約8割という驚異的な勝率を残すウォリアーズにとって、主力の欠場で1勝3敗という戦績は最もタフな状況なのは間違いない。

 王者ウォリアーズは第5戦でラプターズに強烈な先制パンチを浴びせて、シリーズの流れを変えるほどの勝利を収める必要があるのだが、遂行することができるか、是非とも注目していただきたい。

第5戦でカリー(右)とデュラント(左)による最強タッグの実現なるか?[写真]=Getty Images

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