2019.12.20
今夏のフリーエージェント(FA)戦線で、アンドレ・イグダーラはゴールデンステイト・ウォリアーズからメンフィス・グリズリーズへトレードされた。
キャリア15シーズンをプレーしてきた35歳の大ベテランは、今季年俸が約1,719万ドル(約18億3,933万円)と高額ではあるものの、現行契約は今季限り。今季終了後、引退する可能性があるだけに、開幕前にグリズリーズとバイアウト(契約買い取り)し、優勝候補のチームと契約するだろう、というのが大方の予想だった。
ところが、現地メディア『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者は9月10日(現地時間9日)、とある情報筋によるものとして、グリズリーズがイグダーラとバイアウトすることを拒絶しており、トレーニングキャンプへ呼びたがっていると報道。
イグラーダは昨季、68試合(うち先発は13試合)に出場して平均23.2分5.7得点3.7リバウンド3.2アシスト0.9スティール0.8ブロックを記録するも、平均出場時間と平均得点はキャリアワーストの成績だった。
それでも、プレーオフでは21試合(うち先発は15試合)に出場して平均30.0分9.8得点4.3リバウンド4.0アシスト1.1スティール1.1ブロックと、持ち前のオールラウンドなプレーでウォリアーズの5年連続ファイナル進出に大きく貢献。
セカンドユニットとしてまだまだコート上でインパクトを残せるベテランとして、ロサンゼルス・クリッパーズやヒューストン・ロケッツといった優勝候補チームがイグダーラ獲得に関心を持っていただけに、予想外の展開になってしまった。
一方のグリズリーズは、今年のドラフト全体2位指名のジャ・モラントを中心に再建へ乗り出したチーム。今季優勝できる可能性は絶望的であり、プレーオフ出場もきわめて厳しいという状況のため、自身4度目の優勝を狙うベテランにとっては苦しい現状なのかもしれない。
もっとも、イグダーラはNBPA(NBA選手会)の副会長であり、多くの選手からリスペクトされている名選手。キャリア晩年に、グリズリーズの将来を担う選手たちのメンター(助言者)として今季を迎える可能性もゼロではない。
グリズリーズが若手の指導役としてイグダーラを強く求めているのであれば、バイアウトせずにこのまま開幕を迎えたとしても決しておかしくはないだろう。
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