2020.03.14
2014-15シーズンからクリーブランド・キャバリアーズの一員としてプレーするケビン・ラブは、現在キャリア12年目の31歳とベテランの領域へ踏み出している。かつてレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がキャブスへと復帰を決断した同シーズン、ラブはチームの第3のスター選手として優勝候補へ移籍を果たし、キャブスでの彼の物語はここから始まった。
移籍前のミネソタ・ティンバーウルブズの最後のシーズンでは、チームのファーストオプションとして平均26.1得点12.5リバウンド4.4アシストを記録するなど、しっかりと個人成績を残してはいた。だがいざキャブスでプレーとなると、中々チームにかみ合わず、ラブの存在性に懐疑的な意見が述べられるようになる。しかしそれでも後々役割を確立させ、泥臭くオフェンスリバウンドをもぎ取り、アウトサイドからは得意のジャンパーを放ち、スイッチディフェンスではステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)のようなエリート選手に必死に食らいつくなど、華やかに活躍するレブロンやカイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ)らを陰ながら支え続けた。
2016年にNBAファイナルを制覇、選手としてもっとも輝かしい瞬間を謳歌したラブは、2017-18シーズン終了後に4年1億2000万ドル(約133億円)の契約延長を締結。当時改築中だったキャブスのホームコートであるクイッケン・ローンズ・アリーナにて、作業員やチームスタッフが見守る中で契約書にサインをし、レブロンのレイカーズへの移籍で意気消沈するファンに対して粋な計らいを見せた。
こうしてキャブスに忠誠を尽くしているラブだが、レブロンが退団を決めた時は自分もトレードでチームを去るのではと考えていたそうだ。『Cavs Nation』にて「ああ、驚いたよ。多くの人たちが驚いていた。レブロンがチームを去っていった時、僕にとって終わりだと思っていた」と話すラブ。「皆もそう考えていたんじゃないかと思うよ。球団は再建の道を歩み、若手選手らの台頭など、色々考えられることはあった」と、かつての出来事を振り返る。
結果的には球団側から大型の契約延長を勝ち取ったが、今季はラブのトレードの噂が絶えないのは事実。だが彼は、「この場所における僕の責任は揺るがないもの。結果がどうなろうと、キャバリアーズで正しいことを続ける」とつづり、ベテランとしての役割を全うする意思を貫いている。
キャブスにとってあの2016年の優勝は、NBA史上1勝3敗から大逆転を果たした唯一のチームとして、決して忘れられない出来事になったに違いない。歴史に名を刻んだ球団のメンバーだったラブだが、こうして年齢を重ねていよいよトレードされるかもしれないという噂に時間の経過を感じてしまう。だがあの偉大なる優勝は、きっと未来永劫伝えられていくことだろう。
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