2020.02.19

ジャレン・ジャクソンJr.「誰もグリズリーズが8位にいると考えてはいなかったはずだ」

キャリア2年目のジャクソンJr.はグリズリーズの主軸として活躍している[写真]=Getty Images
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スパーズ初優勝の一員、父から学んだことは「ゲームへの気持ちと粘り強さ」

 オールスターブレイクを迎えた時点で、ウェスタン・カンファレンスのサプライズチームとして挙がっているのはオクラホマシティ・サンダーとメンフィス・グリズリーズだろう。

 サンダーは昨夏ポール・ジョージ(現ロサンゼルス・クリッパーズ)とラッセル・ウェストブルック(現ヒューストン・ロケッツ)という2枚看板を放出。クリス・ポールと複数のドラフト1巡目指名権を獲得し、再建へ乗り出すと思われたが、ポールと2年目のシェイ・ギルジャス・アレキサンダー、シックスマンのデニス・シュルーダーというポイントガードトリオを中心に、ここまでウェスト6位の33勝22敗という好成績を残している。

 だが最も驚くべき躍進を見せているのはグリズリーズではないだろうか。このチームは昨季途中にマルク・ガソル(現トロント・ラプターズ)、昨季終了後にマイク・コンリー(現ユタ・ジャズ)を放出し、指揮官にテイラー・ジェンキンズ、司令塔にルーキーのジャ・モラントを据えて今季に臨み、昨年12月8日(現地時間7日、日付は以下同)の時点では6勝16敗と、大きく負け越していた。

 ところが、グリズリーズはモラント、ジャレン・ジャクソンJr.という20歳デュオを中心に巻き返し、強豪ぞろいのウェストで8位(28勝26敗)という予想外の好位置にいる。『The Daily Memphian』によると、もしグリズリーズが今季プレーオフに進出すれば、チームのトップ2スコアラーが20歳以下でプレーオフへと進んだNBA史上初のチームになるという。

 ここでは、21日から幕を開けるレギュラーシーズン後半戦を前に、19日に『HOOPSHYPE』へ掲載された記事の中で、ジャクソンJr.が語っていた言葉をいくつか紹介していきたい。

 2018年のドラフト1巡目4位で指名されたジャクソンJr.は、211センチ109キロのビッグマン。昨季は平均13.8得点4.7リバウンド1.1アシスト1.4ブロックを残してオールルーキーファーストチームに選出。2年目の今季はここまで52試合に出場して平均28.1分17.1得点4.8リバウンド1.4アシスト1.7ブロックをマークしており、モラント(平均17.6得点7.1アシスト)に次ぐチーム第2の得点を残している。

 ジャクソンJr.の父親は、NBAで12シーズンをプレーしたシューティングガード。主に3ポイントとディフェンスを武器とし、1999年のサンアントニオ・スパーズのフランチャイズ史上初優勝に貢献。キャリア平均16.7分5.5得点1.8リバウンド1.2アシストを残している。

 父から学んだこと、そして影響を受けていることについて聞かれたジャクソンJr.は「ゲームへの気持ちと粘り強さだね。僕らは共にディフェンス志向の選手なのは間違いない。そしてショットを放てなければいけないし、ディフェンスもできなければならない。それが選手としての責任だからだ。父はそれをやってのけたからこそ、チャンピオンリングを手にすることができたのさ」と口にしていた。

 ジャクソンJr.は父(193センチ86キロ)を高くした、いわゆるハイブリッド版の選手。今季は3ポイント成功率39.7パーセント、平均2.5本を沈める一方で、223センチというウイングスパンを駆使してディフェンス面でも貴重な役割をこなしており、チームの躍進に一役買っている。

ジャクソンJr.の父(左)は、粘り強いディフェンスと3ポイントを武器とするロールプレーヤーだった[写真]=Getty Images

モラントとの連係も「コートに出てからはスムーズにできているし、すごくかみ合ってるよ」と相性抜群、20歳デュオを軸にプレーオフ進出を目指す

 キャリア2年目を送るビッグマンはNBA入り初日と現在を比較し、「より快適にプレーできるようになっているよ。自分にとって、物事がスローダウンしているように感じるね。試合中における決断もそうだし、ショットの面でも向上している。僕は競い合うことが大好きだから。そのことも(成長を)加速させていると思う」と成長を実感しているという。

 今季開幕前の時点で、チームは「ドアマット候補」「プレーオフへ進出できる可能性は相当低い」といった下馬評だっただけに「間違いなくモチベーションになってるね。誰もグリズリーズが8位にいると考えてはいなかったはずだ。僕らは『君たちには時間がある。(低迷しても)気にするんじゃない。まだ若いじゃないか』といったことを言われてきたんだ。でも僕らはそんなこと気にしたりはしない。若いかそうでないかは関係ないんだ。これはバスケットボール。僕らは競い合うことが大好きだから、このチーム相手に勝ちたいなら、ガチで打ち負かしてみろよ、って感じさ。不調な夜もあるだろうけど、このチームはハードにプレーし続けるよ」と自信をのぞかせた。

2年連続となった今年のライジングスターズでは12得点7リバウンドを残した[写真]=Getty Images

 チームをけん引する相棒のモラントとのプレーについても「もうクレイジーだね。僕らのケミストリーは、サマーリーグで一緒にプレーしていなかったのにいい感じなんだ。コートに出てからはスムーズにできているし、すごくかみ合ってるよ」と相性も抜群なようだ。

 グリズリーズは20歳デュオの周囲をディロン・ブルックスカイル・アンダーソンヨナス・バランチュナスが支えており、ベンチからはブランドン・クラークやタイアス・ジョーンズ、ディアンソニー・メルトンといった選手たちが登場し、リーグベストの平均27.4アシストを記録するアンセルフィッシュなスタイルで白星を積み重ねている。

 ジャクソンJr.とグリズリーズが、今後展開されるし烈なプレーオフ出場争いで生き残ることができるか、是非とも注目していただきたい。

グリズリーズ躍進の主役を務めるモラント(右)とジャクソンJr.(左)[写真]=Getty Images

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