2020.03.31

ウェイドが考える、スリーでもハンドリングでもないカリーの最大の強みとは?

ウェイドが自身のインスタグラムライブにて、カリーのプレーに触れた[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 新型コロナウイルスの影響でNBAは中断。通常であればレギュラーシーズンの佳境に突入しているはず、選手たちはロックダウンにより練習もままならない状況で、自宅で思い思いの時間を過ごしている。

 最近では『SLAM』が人気シューティングゲーム『Call of Duty』のエキシビションマッチを主催し、ベン・シモンズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)やジョシュ・ハート(ニューオーリンズ・ペリカンズ)、ドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ)がプロゲーマーらと対戦するイベントが話題となっているが、時間を持て余してる選手たちの中にはライブ配信でファンとの交流を楽しんでいる者もいる。

 引退したドウェイン・ウェイド(元マイアミ・ヒート)も例外ではない。妻のガブリエル・ユニオンとインスタグラムライブを実施した“フラッシュ”がさまざまな質問に返答する中、もちろんファンたちはNBAの話題で盛り上がる。そこでステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)の名前が挙がると、まず妻のユニオンが以下のように切り出した。

「みんなも話しているけど、確かにステフは素晴らしいシューターだと思う。ただ、私は何が言いたいかと言うと……ステフ・カリーは最高のシューターの一人だけど、彼は実際の生活においても、みんながイメージするステフ・カリー、そのままなんですよ」

 それに夫のウェイドが続ける。

「彼は世界で最もナイスな男だよ。多くの人がスリーやボールハンドリングについてばかり話すけど、ステフの最高の強みはオフ・ザ・ボールで絶対に止まらないことだ。みんな知っていると思うけど、彼はボールを持ったら一番危険な選手だ。考えたらヤバいことがわかるよね? なぜなら、彼がボールを持ったら最後、彼はガード不可能だからね」

 そして、ウェイドは独自の分析をさらに噛み砕く。

「彼がボールを持っていない時は、(スリーやボールハンドリングのことは)忘れるべきだ。彼のコンディション調整や体型、そして走り方を見ればわかるが、彼はリップ・ハミルトン(元デトロイト・ピストンズほか)やレイ・アレン(元ボストン・セルティックスほか)のようなタイプの人間だよね。つまり、彼がボールを持った瞬間、彼は驚異となるんだよ」

 ウェイドのいうカリーのオフ・ザ・ボールの動きについては、いくつかの例がある。例えば、以下のプレー。

 ボールを保持していたカリーはショットにいけない状況下となり、一度味方にボールを委ねる。そして、そのままコーナーへと移動し、フリーズしてスリーを匂わせる。しかし、停止は束の間、そこからカットインすると見せかけて逆サイドまで回り込み、最後はチェックに遅れたディフェンスを冷静にいなして、得意のスリーでスコア。

 カリーのランニングはただフリーになるだけではなく、ディフェンスを撹乱させ、時にはボールに直接的な関与をせず、数字にならないアシストを記録することもしばしば。これも無尽蔵のスタミナがあってこそだが、足を止めないというシンプルな行いがトップの世界でも驚異になることは、ウォリアーズの#30が身をもって証明している。それをウェイドが自宅の椅子に座りながら話しているのだから、疑うことのほうがナンセンスなのではないだろうか。

文=Meiji

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