2021.05.07
NBAキャリア6年目の今季、ケリー・ウーブレイJr.はゴールデンステイト・ウォリアーズへ加入し、通算3チーム目となる新天地で開幕を迎えた。
先発スモールフォワードを任された25歳のスイングマンは、アグレッシブなディフェンスやハッスルプレー、豪快なプットバックダンクなどでインパクトを残してきたものの、開幕3試合を終えて17本放った3ポイントはいずれもリングをくぐり抜けることはなかった。
「新しいチームに入るのは難しいことだといつも感じている。だからケリーが今シューティングに苦しんでいることに、驚いたりはしていない。私もキャリアの中で新しいチームに加入すると、快適なショットの感覚をつかむのがものすごく難しかったからね」。
12月28日(現地時間27日、日付は以下同)のシカゴ・ブルズ戦で今季初勝利を飾った後、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)はウーブレイJr.のショット不振について、自身の現役時代を振り返りながらそう話していた。
30日のデトロイト・ピストンズ戦を前に行なわれた会見でも、カーHCはウーブレイJr.について「彼は(決められるように)押し進めている。これは皆が通過していくことなんだ」とコメント。
現役時代、15シーズンをプレーしてきたカーは、1990年代後期の3連覇(96~98年)を達成したシカゴ・ブルズや2度の優勝(99、2003年)に貢献したサンアントニオ・スパーズを含む計6チームに所属。中には1シーズンのみの所属に終わったこともあり、ウーブレイJr.の心境を理解していたのだろう。
もっとも、カーは通算3ポイント成功率45.4パーセントでNBA歴代1位の座をキープしており、少ないチャンスで着実に沈めてきた強心臓の持ち主でもある。ブルズ時代、ショットが不調な時には自身のシューズに“F.I.”と書いて奮い立たせていたようだ。
「このイニシャルがどんな意味を指すかは分かるよね」と口にしたカー。おそらくその意味は「ほっとけ」「そんなの知るか」といったところだろう。
カーはウーブレイJr.についても同じようなメッセージを送ったと明かしており、ピストンズ戦を前にいいディフェンスをすること、リバウンドを奪い、スクリーンをセットすること、そして自身が現役時代にシューズへメッセージを書いていたことを共有したという。
「前触れもなしに、とるにたらないショットを放っていると、神が照らしてくれるんだ。で、ショットが入るものさ」というカーの言葉どおり、ウーブレイJr.はピストンズ戦の第1クォーター残り8分30秒に今季初の3ポイントをヒット。その後放った3本はミスしてしまったものの、開幕4試合目でようやく長距離砲がリングを射抜いたことで、ウーブレイJr.自身も安心したはず。
この試合でウォリアーズは116-106で勝利して2連勝。今季戦績を2勝2敗とし、勝率を五分に戻すことに成功。ウーブレイJr.はステフィン・カリー(31得点6アシスト)、アンドリュー・ウィギンズ(27得点7リバウンド3ブロック)に次ぐ14得点に5リバウンド2スティール2ブロックをマークし、勝利に大きく貢献。ウーブレイJr.だけでなくカーHCにとっても、この試合を終えて安堵したに違いない。
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